餞別
笑林
呉の沈〓(しんこう)の弟の沈峻(しんしゆう)は、字(あざな)を叔山(しゆくざん)といって、高名な人であったが、吝嗇なたちであった。
張温(ちようおん)が蜀(しよく)へ使いすることになって沈峻のところへ別れの挨拶に行ったときのこと、沈峻は奥へはいって行き、しばらくしてから出てきてこういった。
「布を一反(たん)、餞別にしようと思ってさがしていたのだが、いくらさがしても手頃な安物がなくてね」
張温は、沈峻が自分の欠点をかくさずにいったことをほめた。






