小石
笑府
何につけ、たとえわずかでも得をしなければ承知できないという男がいた。町の人々はみなその男を毛嫌いして、その家の前を通る者さえいない。
ある人が小石を一つ持って、これならどうということもあるまいと思い、その男の家の前を通ったところ、男はそれを見てさっそく呼びとめ、家の中から庖丁を持ってきて、その小石で二、三度磨(と)いでから、手を振っていった。
「さあ、もう行ってもいい」






