遺言
広笑府
食う物も食わずに金をため込んだ男、病気が重くなって死にそうになったとき、女房を呼んで遺言した。
「わしは一生けちを通して、親類とのつきあいもせずに金をためたが、死んでもまだ金がためたい。わしが死んだら、皮を剥いで皮屋へ売り、肉を切って肉屋へ売り、骨を切って漆屋へ売ってくれ。きっと、たのんだぞ」
息が絶えてから半日すると、また息をふき返したが、女房を見るなりいいふくめた。
「人はあてにならんから、皮も肉も骨もかけ売りをせずに必ず現金で売るのだぞ」






