貧乏人
笑府
ある貧乏な家へ泥棒がはいった。いくらさがしても目ぼしい物がないので、唾を吐いて、戸をあけたまま出て行こうとすると、貧乏人が寝床に寝たままで呼びとめて、
「おい、泥棒、戸を閉めて行ってくれ」
といった。すると、泥棒がふりかえって、
「きさまのようなやつが、おれを泥棒呼ばわりするとは、けしからん!」
また一説には、貧乏人が戸を閉めて行ってくれというと泥棒が笑って、
「ちょっときくが、戸を閉めてどうするんだね?」






