返してくれぬ
笑府
いくら催促しても借金を返さない男がいた。業(ごう)を煮やした貸主が、下男に、その男をひっとらえて、かついでくるようにいいつけた。
下男がその男をかついでくる途中、疲れて一休みすると、男は下男に向っていった。
「早く行けよ。休んでいるあいだに、ほかの家の者におれがかついで行かれたら、なかなか返してはくれぬぞ。そんなことになってもおれは知らないよ」






