一一六 土淵村字野崎に前川勘右衛門という三十過ぎの男がいた。明治の末のことであるが、前に言った山《やま》落《おとし》場《ば》へ萱刈りに行き、小屋掛けして泊っていたところが、小屋のすぐ後から年寄りの声で、ひどく大きくあはははと二度まで笑ったそうである。また同じ人が白見山で、女の髪の赤い抜け毛が丸めて落ちているのを見たそうだが、この種の抜け毛は猟人はよく見かけることのあるものだといわれている。
遠野物語拾遺116
日期:2019-08-26 14:04 点击:239






