一九〇 昔土淵村田尻の厚《あつ》楽《らく》という家で、主人が死んで後毎晩のように、女房の寝室の窓の外に死んだ夫が来て、お前を残しておいてはとても成仏ができぬから、おれといっしょにあべと言った。家族は怪しく思ってそっと家の裏にまわって見ると、大きな狐が来てひたりと窓に身をすりつけていた。それを後から近よって不意に斧をもって叩き殺したら、それからはもう亡者は来なかったという。
遠野物語拾遺190
日期:2019-08-26 18:48 点击:344






