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芽は伸びる(4)
日期:2022-08-08 23:57  点击:248
 


翌日よくじつ学校がっこうへいくと、いずみはしんせつにびんのなかくわえだをさして、ってきてくれました。
「こんど、ぼくいえりにおいでよ。自転車じてんしゃってくれば、わけがないだろう。」といいました。
そのくわはつやつやとして、いろくろく、あつくて、ほんとうにうまそうです。こんなべているおかいこは、きっとよくふとっているだろう。そして、いいまゆつくるにちがいない。競争きょうそうは、いずみちかもしれないと、せい一はおもいました。
学校がっこうかえみちで、戸田とだといっしょになったのです。
きみのところのくわも、こんなにおおきくて、おいしそうかい。」と、せい一は、たずねました。
「まだ、ちいさいからね。」
ぼくは、はらっぱにえているくわってきたけれど、かたくて、おいしくなさそうだ。」
「それは、こやしを、やらないからだよ。」
「これは、こやしがきいているんだね。」
「そうさ。」と、戸田とだは、なぜかくすくすわらいました。
ぼく毎朝まいあさ自転車じてんしゃにのって、もらいにいこうかな。」
いずみいえまえは、桑畑くわばたけなんだぜ。だから、すこしばかりったって、かまわないのさ。」
いずみいえから、火葬場かそうばちかいんだってね。」と、せい一がきました。
「だからくわのこやしに火葬場かそうばはいをやるんだよ。」
「えっ、火葬場かそうばはいをやるの。」
「いってみたまえ、のところがしろくなってるから。」
ぼく、もういくのをよした。」
「どうして。」
「だって、気味きみがわるいもの。」
せい一には、っているくわひかりが、きゅう普通ふつうとちがっているようにかんじられたのです。そのてなかったけれど、それからは、やはりはらっぱへいって、くわってきました。
ある、やぶのところで、とおばかりのおんなと、八つばかりのおとこが、くわほうかってっていました。とんぼをるのでもなければ、また、きちきちをるようなようすもなかったのです。
「なにしているの。」と、不思議ふしぎおもって、せい一は、きました。
くわりにきたの。」
「どこから。」
わたしいえは、あのあか屋根やねのおうちよ。」
せい一は、いつかみんなってはいけないといった、おばさんのいえだとおもいました。
「おかいこをたくさんっているの。」
「五十ぴきばかりいるの。」
「たくさんいるんだね。」
「もう、そろそろがりかけているわ。」
はやいなあ、ぼくくわりにきたのさ。」と、せい一がいうと、
おおきなへびがいるよ。」と、おとこが、いいました。
「どこに?」と、せい一はびっくりしました。
わたしが、学校がっこうかえりにここをとおると、おおきなへびがあすこへはいっていったのよ。」
おんなが、そういうのをいて、せい一もおそろしくなりました。くわれば、んでも、んでも、びる若芽わかめが、かぜくたびになよなよとかがやいています。そのあいだから、しろえだえるのが、なんだかへびのからんでいるようにもえたのであります。せい一は、いしや、つちくれをひろって、やぶをあてにげていました。こうすれば、へびがおどろいてどこへか姿すがたをかくすからでした。
「おねえちゃん、かえろうよ。」
ぼくが、ってあげるからっておいで。」
せい一は、勇気ゆうきして、くさけてはいっていきました。くわえだろうとすると、じゅくしきったあかが、ぽとぽととちました。
「さあ、これをっておかえり。」
せい一は、くわえだおんなわたしてやったのです。
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09/21 11:27