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海が呼んだ話(3)
日期:2022-09-01 23:23  点击:273
 


 自転車屋じてんしゃやあと乾物屋かんぶつやができてから、二かげつばかりたつと、ゆうちゃんの叔父おじさんは、不思議ふしぎ病気びょうきにかかりました。それは、ふいに原因げんいんのわからぬねつて、手足てあしがしびれてきかなくなるのでした。とりわけ、西にしそら夕焼ゆうやけけをする、日暮ひぐがたねつるというのであります。そして、近所きんじょ医者いしゃてもらったけれど、なんの病気びょうきかわからないというのでした。このことが、また近所きんじょのうわさになったのです。
ゆうちゃんの叔父おじさん、きょう病院びょういんへいったよ。」と、正二しょうじが、いいました。
 清吉せいきち正二しょうじは、学校がっこうかえりに、乾物屋かんぶつやまえとおると、おじさんが、みせにすわっていました。二人ふたりは、はいってそばへこしかけました。
「おじさん、顔色かおいろがわるいね。」
病院びょうういんへいって、てもらってきたの?」
 おじさんは、二人ふたり子供こどもかおわらいながら、
うみが、おれをぶんだよ、子供こども時分じぶんから、みずをもぐってきたものが、おかがりきってしまうとからだがきかなくなっておそろしいことだな。」
「そんなら、おじさん、またうみかえるの。」
「ああ、うみかえって、もぐりたくなった。そうすれば、からだもじょうぶになるということだ。そうしたら、二人ふたりともあそびにきな。はまかぜがあって、なつすずしいぜ。えびでもたこでも、あたらしいさかなべさせるから。」
「おじさん、このおみせはどうするの。」
「このいえか、またまえひとたちがきてはいるだろう。やはり、きゅうまちから、田舎いなかへいってもらしがたないのだよ。」と、おじさんが、いいました。
「そんなら、また、ゆうちゃんとあそべるんだね。」と、正二しょうじは、にっこりしました。みせると、
ぼく、おじさんにわかれるの、かなしいや。」と、清吉せいきちは、あるきながら、正二しょうじをかえりみて、いいました。
 とんぼが、んでいました。
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