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あらしの前の木と鳥の会話(1)
日期:2022-09-19 05:59  点击:262
 


あるやまのふもとに、おおきなはやしがありました。そのはやしなかには、いろいろながたくさんしげっていましたが、一ばんおうさまともられたのは、ふるくからあるおおきなひのきのでありました。
また、このはやしなかには、たくさんなとりがすんでいました。しかし、なんといっても、そのなかおうさまは、としとったたかでありました。おおくのとりたちは、みんな、このたかをおそれていました。
あるのこと、ふるいひのきのと、たかとがはなしをしたのであります。
「いま、人間にんげんは、ひじょうないきおいで、いたるところでたおしている。いつ、このはやしほうへもせてくるかしれない。人間にんげんは、りこうかとおもうと、一めんは、ばかで、自分じぶんからして、自分じぶんんでいるいえも、また、せっかくりっぱに、仲間なかまのためになったまちも、みんないてしまう。そんなことは、おれたちがかんがえたって、想像そうぞうのつかないことだ。そうして、いえくなったり、まちけてしまうと、あわてて大急おおいそぎで、おれたちのいるほうへやってくる。そんなにまでおれたちは、人間にんげんのためにくしているのに、ありがたいとはおもっていない。」と、ひのきのは、はなしかけました。
くるくるとした、くろい、するどをしたたかは、これをきいていましたが、
人間にんげんというやつほど、わがままなものはない。おまえさんが、そうおこんなさるのも無理むりはない。わたしたちだって、これまでずいぶんこらえてきたものだ。」と、たかは、おうようにいいました。
「しかし、あなたがたは、自由じゆうんであるける身体からだだから、なにも、人間にんげんのいうとおりにならなくてもいいのだ。人間にんげんのいないところへいってしまえば、つらいめにもあわなくてすむというものだ。」
「ひのきのさん、おまえさんも、としをとって、すこし、もうろくなさったとみえる。わたしたちの仲間なかまが、人間にんげんのために、どれほど、はたらいて、どれほど、いじめられてきているかれたもんでない。だいいちかんがえてみなさるがいい。人間にんげんは、うまや、うしや、いぬや、ねこのために、病院びょういんまでててやっているのに、わたしたちの病院びょういんというようなものを、まだてていない。こうした大不公平だいふこうへいは、ここにくされないほどある。これにたいして、あなたがた同様どうようわたしたちが、だまっているものですか。」と、としとったたかはいいました。
そらくらくするまでしげったひのきのは、だまって、たかのいうことをいていました。
「おい、兄弟きょうだい、もうよくはなしがわかった。おれたちは、みんな人間にんげん仕打しうちにたいして不平ふへいをもっているのだ。しかし、まだ、これを子細しさい視察しさつしてきたものがない。だれかを、人間にんげんのたくさんんでいるまちへやって、しらべさせてみたいものだ。そして、よくよく人間にんげんが、不埓ふらちであったら、そのときは、復讐ふくしゅうしよう……そうでないか?」と、ひのきのはいいました。

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