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僕が大きくなるまで_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3340
 
しょうちゃんは、またボールをなくしてしかられるとおもったけれど、
「みんなであそんだのだもの、そんなことしなくてもいいよ。おかあさんにってもらうから。」と、いいました。
ぼく、たのんでれてもらったのだから。」と、いいますので、太郎たろうさんが、
「じゃ、しょうちゃん、それでいいじゃないか。」と、いいました。
にん学校がっこうまえへいって、おみせでボールをいました。しょうちゃんが、
「また、ボールをやらない?」というと、まことさんも太郎たろうさんも賛成さんせいしましたが、少年しょうねんはお使つかいにきたのでもうかえらなければならないといいました。
「さようなら!」
「また、おいでよ。」
少年しょうねんは三にんとわかれて、さっさといってしまいました。しょうちゃんは、少年しょうねんってくれたあたらしいボールをて、なんだかいい気持きもちはしなかったのです。
のどくなことをしたな。どうしてもってもらわなければよかったのに。」と、こころのうちでおもいました。
しょうちゃんはうちにかえると、おかあさんにそのボールをせて今日きょうはなしをしました。
「どこのぼっちゃんですか?」と、おかあさんはおききになりました。
ぼくらない。」と、しょうちゃんがこたえると、
「これから、そんなときは、いいと、ことわるものですよ。」と、おかあさんはおっしゃいました。

あくるしょうちゃんは花子はなこさんとはらっぱであそんでいました。
しょうちゃん、ここへきてごらんなさい。ありがなにかはこんでてよ。」と、花子はなこさんがよびました。
しょうちゃんがはしっていくと、かわいらしいちいちゃなありのむれが、なにかくわえて、れつをつくってはしっているのです。
花子はなこさん、もうふゆのおしたくで、いっしょうけんめいなんだよ。」
だんだんとつながりすすんでいくありのむれを、二人ふたりあしずりしてっていくうちに、しょうちゃんは昨日きのうなくしたボールが、くさなかにかくれているのをつけました。
「ボールがあった!」
しょうちゃんはよろこびのこえを、あげました。そして、なつかしい自分じぶんのボールをにぎって、しばらくぼんやりとしていました。
「どうしたの、しょうちゃん? なくしたボールがつかったの?」
ぼく、なくなったとおもっていたら、あったのだよ。あの弁償べんしょうしてもらって、どうしようかなあ。」と、しょうちゃんはポケットからもう一つのボールをしてかんがえていました。
まことさん? 太郎たろうさん?」
らない、あっちのだよ。」
「きのう? 太郎たろうさんくらいのでしょ?」
「そうだよ。」
牛込うしごめにいさんだわ。しょうちゃんたちがボールをしているとわたしがいったら、にいさんはとんでいったわ。」と、花子はなこさんがいいました。
「じゃ、このボール、にいさんにかえしておくれ。」
「こんどきたら、かえしてあげるわ。」
しょうちゃんは花子はなこさんに、少年しょうねんってくれたボールをわたすと、もちがらくらくとしました。
そして、自分じぶんのボールをちからいっぱいそらかってたかげあげたり、けたりして、あそんだのであります。
 

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11/18 15:42