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星の世界から(3)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3334
 

星の世界から

小川未明


良吉りょうきちまずしいいえまれました。そのむらさびしい、もりのたくさんあるむらでありました。小鳥ことりがきてさえずります。またはるになると、しろはなや、かおりのたかい、いろいろのはなきました。
良吉りょうきちにはなかのいい文雄ふみおというおなとしごろのともだちがありました。二人ふたりはいつもいっしょにぼうったり、けっこをしたり、また、さおをってかわにいったりして、なかよくあそびました。
むらはずれにはかわながれていました。そのみずはたくさんできれいでありました。かわのほとりにはくさしげっていました。二人ふたりはそのくさうえこしろして、みずつめながらりをいたしました。
またかぜには、いっしょにくりのひろってあるきました。またえだなどをひろってきて、おや手助てだすけなどをいたしたこともありました。こうして二人ふたりは、なんでもっているものは、たがいにってなかよくあそびました。たまに両親りょうしんまちへいってってきてくれた絵草紙えぞうしや、おもちゃなどがあると、それを良吉りょうきち文雄ふみおにもせてやったり、してやったりいたしました。また、文雄ふみおおなじことで、なにかめずらしいものがはいると、きっとそれを良吉りょうきちのところへってきてせました。二人ふたりあいだでは、なんでも差別さべつなくしてなかよくあそびました。だから、そのむらまちからとおくはなれていて、さびしいむらでありましたけれど、二人ふたりはけっしてさびしいとはおもいませんでした。二人ふたりはいつも、たのしくなかよくしてあそんでいました。
しかし、不幸ふこうというものは、いつ人間ひとうえにやってくるものだかわかりません。あるさむい、もうあきけてゆくころでありました。文雄ふみおは、ふとしたかぜをひきました。そして、それがだんだんおもくなってとこにつきました。良吉りょうきち心配しんぱいして、毎日まいにちのように文雄ふみおうちへいっては、病気びょうきをみまいました。文雄ふみお両親ふたおやもいっしょうけんめいで看病かんびょういたしました。けれど、ついに文雄ふみおはなおりませんでした。まくらもとにすわって、心配しんぱいそうに自分じぶんかおつめている、ともだちの良吉りょうきちをじっとて、
はやくなおって、またきみといっしょにあそぼうね。」
と、文雄ふみおはやつれた姿すがたになりながら、にっこりとわらっていいました。
「ああ、あそぼうよ、きみ気分きぶんはちっとはいいかい。」
と、良吉りょうきち笑顔えがおになって、そのやせたあわれなともだちのにぎりました。しかし、これがわかれでありました。とうとう文雄ふみおはそのばんんでしまいました。

 

 


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11/18 13:36