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雪の国と太郎(1)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3334

雪の国と太郎

小川未明

かなそりのあと


このむらには七つ八つから十一、二の子供こどもが五、六にんもいましたけれど、だれも隣村となりむら太郎たろうにかなうものはありませんでした。太郎たろうは、まだやっと十二ばかりでした。けれどちからつよくて、としのわりあいにからだおおきくて手足てあしふとくて、おおきくまるくて、くるくるとちょうど、わしのひとみのようにくろくてひかっていました。
だから、このむら子供こどもはだれも太郎たろうとけんかをしてるものはありません。みな太郎たろうをおそれていました。
今日きょうきみ太郎たろうたかい。」
と、こうがいいました。
ぼくたよ。」
と、へいが答えました。
「なにもしなかったかい。」
と、こうへいいました。
とおくだったから、なんにもしなかったよ。ぼくいそいでかえってきたよ。」
と、へいこたえました。
明日あした学校がっこうへゆくときには、みないっしょにゆこうよね。そうすれば太郎たろうがきたってだいじょうぶじゃないか。」
と、おつがいいだしました。
「しかしきみ太郎たろうつよいんだよ。」
と、へいがいいました。
「だってみんなでかかれば太郎たろう一人ひとりなんかかしてしまうね、ぼくあしってやる。」
と、おつりきんでいいました。
ぼくはぶってやるよ。」
へいがいいました。
ぼくゆきなかへうずめてやろう。」
こうがいいました。そしてみんなでこえをたててわらいました。
そのくるになるとゆきっていました。あさこうおつへいていの四にん子供こどもは、たがいにさそって学校がっこうかけました。みちばたのすぎのえだゆきがたまってたわんでいます。そして、そのしたとおるときには、くぐってゆかなければなりません。てらよことおったときには、もうゆきうえにますますもって墓石はかいしあたまがわずかばかりしかえていませんでした。子供こどもらは自分じぶんむらをすこしはなれたところに学校がっこうがある。そこへあるいてゆくのでした。むらると、広々ひろびろとした野原のはらがありました。野原のはら一面めん見渡みわたすかぎりもゆきにうずまってしろえました。そしてそこへると、そりのあとかぜにかきされて、あるかなしかにしかえなく、さむ北風きたかぜかおあしいたのでした。
 

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