すると彼を見たアマツクニタマとシタテルヒメは泣きながら、
「我が息子はまだ死んでなかったぞ!」
「私の夫はまだ死んでなかったんだわ!」
と言って、アジスキタカヒコネの手足に取り縋って泣き喚きました。
アマツクニタマとシタテルヒメが、自分の息子や夫とアジスキタカヒコネを見間違えたのは、この二柱の神の見た目がそっくりだったからです。
アジスキタカヒコネは激怒。
「俺は彼と親友だったから、葬儀に来ただけだ。俺を死人と見間違えるなんて、なんて汚らわしい!」
と言うと、腰に付けていた長い剣を抜いて、喪屋をぶった斬って壊し、足で蹴飛ばしてしまいました。