「今度はどの神を派遣したらいいの?」
と問いました。 オモヒカネと神々は、
「天の安河(あめのやすかわ)と呼ばれる川の川上にある天岩戸(あまのいわと)という岩づくりの部屋にいる、アメノオハバリ(天之尾羽張神)を行かせましょう。アメノオハバリがダメなら、その子であるタケミカヅチ(建御雷神)を行かせれば良いでしょう。
ちなみに、アメノオハバリは天の安河の水を堰き止めて、道を塞いでしまっているので、他の神だとあそこへは辿りつけません。
そこでアメノカク(天迦久神)をアメノオハバリのところへ行かせて頼んでみるのが良いのでは」
と申し上げました。
そんなわけでアメノカクをアメノオハバリのもとに行かせて尋ねてみたところ、アメノオハバリは、
「畏れ多い話ですね。お仕えします。しかしながらこの任務には、私の子のタケミカヅチを行かせるのが適任でしょう」
と答えました。
結局タケミカヅチが、アメノトリフネ(天鳥船神)という神と一緒に派遣されることになったのでした。