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前文:
徐福の人の業績については二千年以上も前に書かれた「史記」に記録されている。「史記」の後からも伝えられてきた伝説は少なくない。
秦の始皇帝が琅玡山に登ってとき、夢にまで見た「長寿の仙薬」が海の神山にいけば手に入ると聞かされ、そこで、徐福に渡海を命じた。徐福は博学多才の人で、航海、医薬まで学識の及ばぬところはなかった。
徐福の一行は海を漂流したすえ、ある島に上陸した。一行はそこを開拓し、連ねてきた少年少女を育てた。そして、先住居民に農耕技術や医薬の知識を教えて尊敬され、ついにそこにとどまり、帰国することはなかった。
この話は中国でも日本でも長く伝えられてきた。しかし、徐福とはいったいどこの人なのかについてはずっとナソされてきた。ところが、八〇年代初め、中国で全国的な地名調査が行なわれた時、江蘇省の徐阜村は昔徐福村だったということが確認されたそうである。これがきっかけとなって、専門家が徐福村周辺の調査を進めた結果、徐福の故居や当時の造船場など多くの遺跡が見つかり、一九八五年に徐福村という名前が正式に回復したのだつた。このことが中国と日本で大きな反響を呼び、徐福の研究がブームとなったのである。
本文:
(座談会、出席は中日の徐福研究者)
司会
大分春めいて、だんだん暖かくなってきましたが、このたび、徐福会訪中団のみなさんは山東から江蘇へ徐福の遺跡をたずねられましたね。印象に残るおところも多かったと思いますが??
久武
私は久武と申します。じつは徐福の五十二代目の孫なんです。先祖の姓は徐となっておりました。それがなぜに久武になたっかというとか、ご存じのように、日本にも戦国時代があったんですが、その時に先祖が戦いに敗けました、世を忍ぶために、三十六代目の孫が久武を名乗りました。ですから、私はれっきとした中国人です(笑い)。このたび、ほんとうに親子があうような気持ちで中国にきました。
佐藤
久武さんが私たちの気持ちをいってくれました。徐福は偉大な人ですね。二千年以上前に農耕や紡績の技術を持ってきくれたんですから。そのご恩をいつまでま忘れず、日本と中国の友好を末長くづつけたいを思います。
鈴木
徐福の古里でみなさんの熱烈な観迎をうけて、日中両国人民を親近感を改めて体験しましたね。嫁に行った娘が実家に帰ってきたような気持ちですね。
司会
秦の始皇帝の時に、徐福は少年少女三千人と多くの技術者をつれて、神山と仙薬を捜して海にでて最後に日本に着いたそうですが、これは事実だったとすれば、偉大な壮挙だったことは疑いありません。でも、徐福はどうして東の日本へ向かったのでしょうね。
張
研究者の間には、二説あります。一つは避難説。つまり、いつまでたって成果があがらないので、徐福は始皇帝懲罰をおそれて逃げてしまった。もう一つは探険説。山東のありでは、始皇帝の以前から海の探険が行われていましたね。ですから、徐福は「中国のコロンブス」という人もいますよ。
司会
では、日本に行ってからの徐福についてお話ください。
安部
日本には、徐福の上陸地の記念碑とか、お墓とか、徐福宮とか、その遺跡の伝説がたくさんあります。
高橋
私は富士山の近くにおりますが、ここでは、徐福は富士山登山中なくなったといわれているんです。神社では徐福を「医薬の神」として祭っています。
吉田
私ほ東京都の八丈島におりますが、島の人はみんな徐福の子孫だといわれていますよ。徐福は八十五隻船を率いていたんだが、暴風雨にあったので、散り散りになってね、少女たちの船は八丈島に、少年たちの船年は青ケ島に流れ着いた。
司会
それじゃ、たなばた様じゃありませんか。
吉田
そうなんですよ。神様の申しつけで、青ケ島の青年と八丈島の娘毎年の春に一度だけ会える。その時に、娘たちに赤い花をつけたわらじを編むんです。それを海岸に置いてからかくれる。だれが自分の編んだわらじをはくか、はいた男が意中の人で、結ばれるんです。春が過ぎると、男と女は別れなければなりません。
山田
徐福は秦の進んだ技術を日本に持ってきてくれましたね。これはん日本社会の生活向上と文明開かにどれだけ役に立ったかわかりませによ。ですから、徐福は日本で「農耕の神」、「医薬のかみ」「紡績の神」とした祭られているんです。
西村
こんど来てみて分かったことですが、中国で徐福の出身地争いがありますね。これは日本で徐福の上陸地争いがあるのと同じですね。でも、それはたいした問題じゃないと思います。大切なのは徐福が日中文化交流に果たした役割の深い関係を探ることでしょう。
谷口
西村さんの言う通りですね。私たちは徐福研究を通して、日本の国民に、二千二百年も前に日中両国の親戚関係があったことを知らせ、日中友好の末長くつづけたいと思っています。
司会
本日のおかげさまで、じつりのある座談会になりました。どうもありがとうございました。
単語:
徐福(じょふく) (专)○1 (人名)
渡海(とかい) (名自サ)○0 渡海、航海
史記(しき) (名)○1 史记
伝説(でんせつ) (名)○0 传说
秦(しん) (名)○1 秦朝
始皇帝(しこうてい) (名)○0 始皇帝
琅玡山(ろうやざん) (专) (地名)
長寿(ちょうじゅ) (名)○1 长寿
仙薬(せんやく) (名)○1 长生不老药
神山(しんざん) (名)○1 祭神的山;神仙住的山
命じる(めいじる) (他一)○0○3 命令、吩咐;任命
博学多才(はくがくたさい) (名)○0 博学多才
航海(こうかい) (名自サ)○1 航海、航行
医薬(いやく) (名)○1 药品
学識(がくしき) (名)○0 学识
及ぶ(およぶ) (自五)○0 涉及、比得上
漂流(ひょうりゅう) (名自サ)○0 漂流
すえ(末) (名)○0 结局、未来
上陸(じょうりく) (名自サ) ○0 登陆
先住(せんじゅう) (名)○0 原住、土著
農耕(のうこう) (名)○0 耕作、种田
止まる(とどまる) (自五)○3○0 停止;停留
江蘇省(こうそせい) (专) (地名)
徐阜村(じょふくそん) (专) (地名)
旧居(きゅうきょ) (名)○1 故居
造船場(ぞうせんじょう) (名)○0 船厂
復活(ふっかつ) (名自他サ)○0 复活;复辟
反響(はんきょう) (名自サ)○0 反响、反应
春めく(はるめく) (自五)○2 有春意
山東(さんとう) (专)○1 (地名)
久武(ひさたけ) (专)○3 (姓)
孫(まご) (名)○2 孙子
先祖(せんぞ) (名)○1 始祖、祖先
姓(せい) (名)○1 姓
戦国時代(せんごくじだい) (名)○5 战国时期
戦い(たたかい) (名)○0 战争、战斗
世を忍ぶ(せをしのぶ) (组) 隐姓埋名、隐居
名乗る(なのる) (自他五)○2 自称;作为自己的姓;自报姓名
歴とした(れきとした) (组) 明显的;体面的
親子(おやこ) (名)○1 父子;母子
偉大(いだい) (形动)○0 伟大
実家(じっか) (名)○0 娘家
壮挙(そうきょ) (名)○1 壮举
避難(ひなん) (名自サ)○1 避难
懲罰(ちょうばつ) (名他サ) ○1○0 惩罚
逃げる(にげる) (自一)○2 逃跑;躲避
探検(たんけん) (名)○0 探险
コロンブス (专)○2 哥伦布
上陸地(じょうりくち) (名)○0 登陆地
記念碑(きねんひ) (名)○2 纪念碑
八丈島(はちじょうじま) (专)○3 (地名)
子孫(しそん) (名)○1 子孙
率いる(ひきいる) (他一)○3 带领、率领
暴風雨(ぼうふうう) (名)○3 暴风雨
散り散り(ちりちり) (名形动) ○0 四散、离散
青ヶ島(あおけしま) (专)○0 (地名)
申し付け(もうしつけ) (名)○0 命令、吩咐
わらじ(草鞋) (名)○0 草鞋
海岸(かいがん) (名)○0 海岸、海峡
隠れる(かくれる) (自一)○3 隐藏、 不外露
意中(いちゅう) (名)○0○1 意中
文明開化(ぶんめいかいか) (名)○5 文明开化
出身地(しゅっしんち) (名)○3 出身地
争い(あらそい) (名)○3○0 争论;竞争
探る(さぐる) (他五)○0 探、摸;探听;探索
谷口(たにぐち) (专)○2 (姓)
空海(くうかい) (专)○1 (人名)
幼い(おさない) (形)○3 幼小,幼稚
神童(しんどう) (名)○0○1 神童
仏門(ぶつもん) (名)○0 佛门
遣唐使(けんとうし) (名)○3 遣唐使
九死に一生を得る (组)○1 九死一生
唐(とう) (专)○1 唐朝
名僧(めいそう) (名)○0 名僧、高僧
恵果(けいか) (专)○1 (僧侣名)
直接(ちょくせつ) (名副自サ )○0 直接
密教(みっきょう) (名)○0○1 密教
伝授(でんじゅ) (名他サ)○0 传授
神秘的(しんぴてき) (形动)○0 神秘的
仏(ほとけ) (名)○0○3 佛、佛祖
文人墨客(ブンジンぼっきゃく) (名)○0 文人墨客
いろわ歌(いろわうた) (名)○3 伊吕波歌
宮殿(きゅうでん) (名)○0 宫殿
壁面(へきめん) (名)○0○3 墙面
王羲之(おうぎし) (专)○3 (人名)
書(しょ) (名)○0 书法、书信
揮毫(きごう) (名他サ)○0 挥毫、写字、绘画
破損(はそん) (名自他サ)○0 破损、损坏
筆勢(ひっせい) (名)○0 笔试
修復(しゅうふく) (名他サ)○0 修复
応ずる(おうずる) (自五)○0○3 接受、回答;应见、适应
皇帝(こうてい) (名)○0 皇帝
見分けがつく (组) 辨别出来
補う(おぎなう) (他五)○3 补充、填补
五筆和尚(ごひつわじょう) (名)○4 (人名)
号(ごう) (名)○1 号
真言(しんごん) (名)○0 (佛教)真言、咒文
真言密教(しんごんみっきょう) (名)○5 真言密教
開祖(かいそ) (名)○1 鼻祖、开山祖
寄与(きよ) (名自サ)○1 做出贡献、有助于
計り知れない(はかりしれない) (组)○5○0 不可估量
入滅(にゅうめつ) (名自サ)○0 (佛教)圆寂
天皇(てんのう) (名)○3 天皇
弘法大師(こうぼうだいし) (名)○5 弘法大师
謚号(しごう) (名)○1 谥号