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『論語』の子張篇-20
日期:2014-05-22 09:23  点击:738
[白文]20.子貢曰、紂之不善也、不如是之甚也、是以君子悪居下流、天下之悪皆帰焉、
 
[書き下し文]子貢曰わく、紂(ちゅう)の不善も、是(か)くの如くこれ甚だしからざるなり。是(ここ)を以て君子は下流に居ることを悪む(にくむ)。天下の悪皆な焉(これ)に帰すればなり。
 
[口語訳]子貢が言った、『殷の紂王の悪事も、それほどひどいものではなかった。だから、君子は下流に居るのを嫌う。世界の悪事が皆そこに集まってくるからだ』 
 
[解説]子貢は、人民を苦しめた悪逆な暴君の代名詞とされる殷の紂王に注目し、『現実の紂王』と『伝説的な暴君としての紂王』との差異について指摘している。紂王の実際の悪政は、みんなが言っているほどに残酷なものではなかったが、人間は一度悪い評判を集めてしまうと、すべての事績を悪い方向に解釈されてしまうようになってしまうのである。偏見や誤解であっても『悪いレッテル』を貼られると、その人の歴史的評価は極悪なものへと変質してしまう危険がある……だからこそ、君子は悪い噂の標的となる下流(悪意の集積地)に立つことを嫌うのである。

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