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少年侦探团-被诅咒的宝石(2)

时间: 2021-09-17    进入日语论坛
核心提示: 始君は、少しおとうさまのほうへひざを進めましたが、なんだかおそろしい怪談を聞くような気がして、背中のほうがうそ寒くなっ
(单词翻译:双击或拖选)
 始君は、少しおとうさまのほうへひざを進めましたが、なんだかおそろしい怪談を聞くような気がして、背中のほうがうそ寒くなってきました。気のせいか、いつも明るい電灯が、今夜は、みょうにうす暗く感じられます。
「この宝石は、もとはインドの奥地にある、ある古いお寺のご本尊(ほんぞん)の、大きな仏像のひたいにはめこんであったものだそうだ。始は学校で教わったことがあるだろう、白毫(びゃくごう)というものだ。
 ことのおこりは、今から百年もまえの話だが、そのお寺の付近に戦争があって、お寺は焼けてしまうし、たくさんの人が死んだ。そのとき、仏像の顔にはめこんであった宝石を、敵が持っていってしまったんだね。それから、宝石はいろいろな人の手にわたって、ヨーロッパのほうへ買いとられていった。ひじょうにねうちのある宝石だから、だれでも高い代価で買いとるのだね。
 また、その戦争のときに、その部落の殿さまのお姫さまが、敵のたまにあたって死んでしまった。まだ若いきれいなお姫さまだったそうだが、殿さまが、たいへんかわいがっておいでになったばかりでなく、その部落のインド人は、このお姫さまを神さまのようにうやまった。そのだいじのお(かた)が、敵のたまにあたって、はかなく死んでしまった。
 部落のインド人たちは、この二つの悲しいできごとを、いつまでもわすれなかった。仏像の命ともいうべき白毫をうばいかえさなければならない。お姫さまのあだを()たなければならない。その二つのことが、一つにむすびついて、この宝石につきまとうのろいとなったのだ。
 それはインド中でもいちばん信仰のあつい部落で、部落中のものが、その仏像を気ちがいのように信じ、うやまっていたということだ。仏さまのためには、どんな艱難辛苦(かんなんしんく)もいとわない、命なんかいつでもすてるという気風(きふう)なんだ。
 そこで、たいせつな仏像をけがし、殿さまの娘の命をうばった外国人の軍人を、仏さまになりかわってばっすることが決議され、部落を代表して、おそろしい魔術を使う命知らずの、ふたりのインド人が、敵をさがして世界中を旅して歩くことになった。
 そのふたりが病死すれば、また別の若い男が派遣される。そして、何十年でも、何百年でも、宝石をもとの仏像のひたいにもどすまでは、こののろいはとけないというのだ。
 それ以来、この宝石を持っているものは、たえずまっ黒なやつにねらわれている。ことにその家に幼い女の子があるときは、お姫さまのあだ討ちだというので、まず女の子をさらっていって、人知れず殺してしまう。その死体は、どんなに警察がさがしても、発見することができないということだ。
 わたしが上海である外国人に聞いたいんねん話というのは、まあこんなふうなことだったがね、むろん、わたしは信用しなかった。そんなばかなことがあるものか、これはきっと、話をした外国人も宝石をほしがっていたのに、わたしが先に買ってしまったので、根もない怪談を話して聞かせ、わたしから宝石を元値(もとね)で買いとる気にちがいないと思った。そして、わたしは、つい近ごろまで、そんな話はすっかりわすれてしまっていた。
 ところが、ゆうべもきょうも、わたしたちの家を中心として、幼い女の子がさらわれたのを見ると、また、そのさらったやつが、まっ黒な怪物だったということを思いあわせると、わたしは、どうやら、きみが悪くなってきた。例のいんねん話とぴったり一致しているのだからね。」
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