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少年侦探团-黄金塔(1)

时间: 2021-09-19    进入日语论坛
核心提示:黄金(おうごん)の塔 二十面相は、いよいよ正体をあらわしました。そして、これからは大っぴらに、怪盗二十面相として、例の宝石
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黄金(おうごん)の塔


 二十面相は、いよいよ正体をあらわしました。そして、これからは大っぴらに、怪盗二十面相として、例の宝石や美術品ばかりをねらう、ふしぎな魔術の泥棒をはじめようというわけです。
 新聞によって、これを知った東京都民は、黒い魔物のうわさを聞いたときにもまして、ふるえあがってしまいました。ことに美術品をたくさんたくわえている富豪などは、心配のために、夜もおちおちねむられないというありさまです。なにしろ、政府の博物館までおそって、美術品をすっかりぬすもうとしたほどの、おそろしい大盗賊ですからね。
 さて、軽気球さわぎがあってから、十日ほどのちのことです。東京のある夕刊新聞が、とつぜん、都民をアッといわせるような、じつにおそろしい記事を掲載しました。その記事というのは、

 わが社編集局は、今暁(こんぎょう)、怪盗二十面相から一通の書状を受けとった。怪盗は所定の広告料金を封入して、その書状の全文を広告面に掲載してくれと申しこんできたが、本紙に盗賊の広告をのせることはできない。むろんわが社はこの奇怪な申しこみを謝絶した。
 右書状には、二十面相は、本月二十五日深夜、大鳥(おおとり)時計店所蔵の有名な「黄金の塔」をぬすみだす決意をした。従来の実例によってもあきらかなとおり、二十面相は、けっして約束をたがえない。明智小五郎君をはじめ、その筋では、じゅうぶん警戒されるがよろしかろう、という大胆不敵の予告が記されていた。
 これは何者かのいたずらかもしれない。しかし、従来の二十面相のやり口を考えると、かならずしもいたずらとのみ言いきれないふしがあるので、わが社は、この書状をただちに警視庁当局に提出し、いっぽう大鳥時計店にも、このおもむきを報告した。


と記し、つづいて「黄金の塔」の由来(ゆらい)や、二十面相の従来の手口、明智名探偵の訪問記事などを、ながながと掲載(けいさい)しました。社会面六段ぬきの大見出しで、明智探偵の大きな写真までのせているのです。
 新聞記事には、有名な「黄金の塔」とあります。いったい、どんなふうに有名なのでしょうか。それについて、少し説明しておかなければなりません。
 大鳥時計店というのは、中央区の一角に高い時計塔をもつ、東京でも一―二をあらそう老舗(しにせ)です。そこの主人大鳥清蔵(おおとりせいぞう)老人は、ひじょうにはでずきなかわり者で、大の浅草観音の信者なのですが、あるとき、浅草観音の五重の塔の模型を商売ものの純金でつくらせ、家宝にすることを思いたちました。
 そして、できあがったのは、屋根の広さ約十二センチ平方、高さ七十五センチという、りっぱな黄金塔で、こまかいところまで、浅草の塔にそっくりの、精巧(せいこう)な細工でした。しかも、塔の中はからっぽではなく、すっかり純金でうずまっているのですから、ぜんたいの目方は八十キロをこえ、材料の金だけでも時価五百万円ほどの高価なものでした。
 ちょうどこの黄金塔ができあがったころ、同業者の銀座の某時計店に、ショーウィンドーやぶりの賊があって、そこに陳列してあった二百万円の金塊がぬすまれたというさわぎがおこったものですから、大鳥氏は、せっかく苦心してつくらせた黄金塔が、同じようにぬすまれてはたいへんだと、今まで店の間にかざっておいたのを、にわかに奥まった部屋にうつし、いろいろな防備をほどこし、盗難にそなえました。
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