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少年侦探团-峰回路转(1)

时间: 2021-09-19    进入日语论坛
核心提示:意外また意外 姿のない声が、ほんものの黄金塔のかくし場所を知っていると言ったものですから、大鳥氏は、もう気が気でなく、三
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意外また意外


 姿のない声が、ほんものの黄金塔のかくし場所を知っていると言ったものですから、大鳥氏は、もう気が気でなく、三人の店員たちをたちさらせますと、門野支配人とふたりで、大急ぎで畳をあけ、床板をはずし、それから、支配人にそこの土を掘ってみるように命じました。
 老人はしりはしょりして、床下においてあったくわを取り、心おぼえのある場所を掘りかえしていましたが、やがて、がっかりしたような声で、
「だんなさま、ありません。塔は、あとかたもなく消えうせてしまいました。」
 と報告するのでした。
 大鳥氏はそれを聞きますと、落胆のあまり、そこへしりもちをついたまま、口をきく元気もなく、しばらくのあいだぼんやりと、床下のやみのなかをながめていましたが、やがて、ふしぎにたえぬもののように、小首をかたむけました。
「おい、門野君、どうもへんだぜ。わしはあれをここへうずめてからというもの、洗面所へ行くほかは、この部屋を少しも出なかった。もしだれかが、わしのるすのあいだに、ここへしのびこんだとしても、たたみをあげ、床板をはずし、土を掘って、塔を持ちだすなんてよゆうは、まったくなかったはずだぜ。いったいあいつは、どういう手段でぬすみだしゃあがったのかなあ。」
 大鳥氏はくやしいよりも、何よりも、ふしぎでたまらないというおももちです。
「わたくしも、今それを考えていたところでございます。あたりまえの家でしたら、庭のほうの縁がわの下から、床下へはいこむという手もありますけれど、このお座敷の縁がわの下には、厚い板が打ちつけてございますからね。すきまはあっても、小犬でさえ通れないほどです。
 それに、さいぜんからこの床下を、懐中電燈でしらべているのですが、人間のはいこんだようなあとが、少しもありません。やわらかい土ですから、あいつが床をくぐってきたとしますれば、あとのつかないはずはないのですがねえ。」
 門野支配人は、まるでキツネにでもつままれたような顔をして、大きなため息をつくのでした。
「ウフフフ……、びっくりしたかい。二十面相の腕まえは、まあこんなもんさ。黄金塔はたしかにちょうだいしたぜ。それじゃ、あばよ。」
 ああ、またしても、あの陰気な声がひびいてきたではありませんか。いったい二十面相はどこにいるのでしょう。廊下でもありません。天井でもありません。床下でもありません。そのほかの、いったいどこに、人間ひとりかくれる場所があるのでしょう。
 ひょっとしたら、魔法使いの二十面相は、目に見えない気体のようなものになって、部屋の中のどこかに、たたずんでいるのでしょうか。
「門野君、やっぱりあいつはどっかにいるんだ。目には見えないけれど、この近くにいるにちがいないんだ。店の者にいいつけて、出入り口をかためさせなさい。早く、早く。そして、やつをとらえてしまうのだ。」
 大鳥氏は支配人の耳に口をよせて、せかせかとささやきました。もうぶきみさよりは、腹だたしさでいっぱいなのです。どんなにしてでも、賊をとらえないではおかぬというけんまくです。
 支配人も同じ考えとみえ、主人のいいつけを聞きますと、すぐさま店のほうへとんでいって、表口、裏口の見はりをして、あやしいやつを見つけたら、大きな声をたてて人を集め、ひっとらえてしまうようにと、店員たちに命じました。
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