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少年侦探团-逃亡(2)

时间: 2021-09-19    进入日语论坛
核心提示: 門野老人に化けた二十面相は、人々のゆだんを見すまして、パッとぬけ穴の中にとびこみますと、せまい穴の中をはうようにして、
(单词翻译:双击或拖选)
 門野老人に化けた二十面相は、人々のゆだんを見すまして、パッとぬけ穴の中にとびこみますと、せまい穴の中をはうようにして、まるでもぐらのようなかっこうで、反対の出口へと急ぎました。
 時計店の裏通りの、あき家というのは、奥座敷からは、せまい庭と塀とをへだててすぐのところにあるのですから、ぬけ穴の長さは二十メートルほどしかありません。二十面相は、まずそのあき家を借りたうえ、部下に命じて、人に知られぬように、大急ぎでぬけ穴を掘らせたのです。ですから、内がわを石がきやレンガできずくひまはなく、ちょうど旧式な炭坑のように、丸太のわくで、土の落ちるのをふせいであるという、みすぼらしいぬけ穴です。広さも、やっとひとり、はって歩けるほどなのです。
 二十面相は、土まみれになって、そこをはっていきましたが、あき家の中の出口の下まで来て、ヒョイと外をのぞいたかと思うと、何かギョッとしたようすで首をひっこめてしまいました。
「ちくしょうめ、もう手がまわったか。」
 彼は、いまいましそうに舌打ちして、しかたなく、またあともどりをはじめました。
 穴の外の暗やみの中に、大ぜいの黒い人かげが見えたからです。しかも、それがみんな制服の警官らしく、制帽のひさしと拳銃のにぎりが、やみの中にもかすかにピカピカと光って見えたのです。
 ああ、二十面相はとうとう、袋のネズミになってしまいました。いや、穴の中のもぐらになってしまいました。さすがの凶賊(きょうぞく)ももはや運のつきです。前に進めば五人の警官、うしろにもどれば、だれよりもこわい明智名探偵が待ちかまえているのです。進むこともしりぞくこともできません。といって、もぐらではない二十面相は、こんなジメジメした、まっくらな穴の中に、いつまでじっとしていられましょう。
 しかし、なぜか怪盗はさしてこまったようすも見えません。彼はやみの中を、ぬけ穴の中ほどまで引きかえしますと、そこの壁のくぼみになった個所から、何かふろしき包みのようなものを、とりだしました。
「ヘヘン、どうだい。二十面相はどんなことがあったって、へこたれやしないぞ。敵が五と出せばこちらは十だ。十と出せば二十だ。ここにこんな用意がしてあろうとは、さすがの名探偵どのも、ごぞんじあるまいて。二十面相の字引きに不可能の文字なしっていうわけさ。フフフ……。」
 彼は、そんなふてぶてしいひとりごとをいいながら、ふろしき包みらしいものをひらきました。すると、その中から、警官の制服制帽、警棒、靴などがあらわれました。
 ああ、なんという用心ぶかさでしょう。まんいちのばあいのために、彼はぬけ穴の中へ、こんな変装用の衣装をかくしておいたのです。
「おっと、わすれちゃいけない。まず髪の毛の染料と顔のしわを落とさなくっちゃあ。」
 二十面相は、じょうだんのようにつぶやきながら、懐中から銀色のケースをとりだし、その中の揮発油(きはつゆ)をしみこませた綿をちぎって頭と顔をていねいにふきとるのです。綿をちぎってはふき、ちぎってはふき、何度となくくりかえしているうちに、老人のしらが頭は、いつのまにか黒々とした頭髪となり、顔のしわもあとかたもなくとれて、若々しい青年にかわってしまいました。
「これでよしと、さあ、いよいよおまわりさんになるんだ。泥棒がおまわりさんに早がわりとござあい。」
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