返回首页

少年侦探团-逃亡(3)

时间: 2021-09-19    进入日语论坛
核心提示: 二十面相は、きゅうくつな思いをして、やみの中の着がえをしながら、さもうれしくてたまらないというように、低く口笛さえ吹き
(单词翻译:双击或拖选)
 二十面相は、きゅうくつな思いをして、やみの中の着がえをしながら、さもうれしくてたまらないというように、低く口笛さえ吹きはじめるのでした。

 裏のあき家というのは、日本建ての商家でしたが、その奥座敷でも、ちょうど大鳥時計店の奥座敷と同じように、一枚の畳があげられ、床板がはずされ、その下に黒い土があらわれていました。
 その土のまんなかに、ここには鉄板のふたなどなくて、ポッカリとぬけ穴の口が大きくひらいているのです。
 ぬけ穴のまわりには、五名の制服警官が、あるいは床下に立ち、あるいは畳にこしかけ、あるいは座敷につっ立って、じっと見はりをつづけていました。むろん電燈はつけず、いざというときの用意には、中のふたりが懐中電燈をたずさえているのです。
「明智さんがもう少し早く、このぬけ穴を発見してくれたら、塔をぬすみだした手下のやつも、ひっとらえることができたんだがなあ。」
 ひとりの警官が、ささやき声で、ざんねんそうにいいました。
「だが、二十面相さえとらえてしまえば、手下なんか一網打尽(いちもうだじん)だよ。それにぬすまれた塔はにせものだっていうじゃないか。ともかく親玉さえつかまえてしまえば、こっちのもんだ。ああ、早く出てこないかなあ。」
 べつの警官が、腕をさすりながら、待ちどおしそうに答えるのです。
 たばこをすうのもえんりょして、じっと暗やみの中に待っている待ちどおしさ。まるで時間が止まってしまったような感じです。
「おい、何か音がしたようだぜ。」
「エッ、どこに?」
 思わず懐中電燈をつかんで立ちあがったことが、いく度あったでしょう。
「なあんだ、ネズミじゃないか。」
 当の二十面相は、いつまでたっても、姿をあらわさないのでした。
 しかし、おお、こんどこどは、人間です。人間が穴の中からはいだしてくる物音です。サラサラと土のくずれる音、ハッハッという息づかい、いよいよ二十面相がやってきたのです。
 五名の警官はいっせいに立ちあがって、身がまえました。二つの懐中電燈の丸い光が、左右からパッと穴の入り口を照らしました。
「おい、ぼくだよ、ぼくだよ。」
 意外にも、穴をはいだしてきた人物が、したしそうな声をかけるではありませんか。
 それは怪盗ではなくて、ひとりの若い警官だったのです。見知らぬ顔ですけれど、きっとこの区の警察署の警官なのでしょう。
「賊はどうしました。逃げたんですか。」
 見はりをしていた警官のひとりが、ふしんそうにたずねました。
「いや、もうとらえました。明智さんの手引きで、ぼくの署のものが、しゅびよく逮捕(たいほ)したのです。あなたがたも早くあちらへ行ってください……。ぼくはこのぬけ穴の検分をおおせつかったのです。もしや同類がかくれてやしないかというのでね。しかし、だれもいなかったですよ。」
 若い警官は、手錠をガチャガチャいわせながら、やっと穴をはいだして、五人の前に立ちました。
「なあんだ、もう逮捕したんだって?」
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
[查看全部]  相关评论