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塔上的奇术师-巨大钟摆

时间: 2022-01-15    进入日语论坛
核心提示:屋上の怪人 にせの一郎青年が、逃げだしたのを見ると、小林少年は、パッと窓ぎわへかけつけました。そしてポケットから、探偵の
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屋上の怪人


 にせの一郎青年が、逃げだしたのを見ると、小林少年は、パッと窓ぎわへかけつけました。そしてポケットから、探偵の七つ道具の一つである、よびこの笛をとりだすと、ぴりぴりぴり……と、ふきならしました。庭にいる刑事たちに、四十面相が逃げたことを知らせるためです。
 まっ暗なひろい庭を、あちこちと回り歩いて警戒にあたっていた三人の刑事は、この、よびこの音をきくと、みんな、窓ぎわへ集まってきました。
「四十面相は一郎さんに化けていたんです。宝石ばこをぬすみました。そして、いま、この窓から逃げだしたのです。まだそのへんにいるはずです。つかまえてください。」
 小林少年が叫びますと、刑事たちは顔を見あわせて、
「へんだなあ。ぼくたちは三方からかけつけてきたんだから、ここから逃げたら、だれかにぶっつかっているはずですよ。ところが、ぼくたちは、あやしいやつには、いちども出くわさなかった。すると、どこか、このへんの木のしげみにでも、かくれているのかもしれないね。」
 刑事たちは、いぶかしそうにいって、てんでに懐中電灯をつけると、また三方にわかれて、捜索をはじめるのでした。
 しばらく、しげみの中をさがしまわりましたが、どこにも、にせの一郎青年のすがたはありません。四十面相は、またしても魔法をつかって、消えうせてしまったのでしょうか。
 そのとき、さがしつかれた刑事のひとりが、ふと空を見あげました。
「アッ! あすこだ。あすこにいる。」
 西洋館の二階の屋根のてっぺんに、恐ろしいすがたが立ちはだかっていました。外灯のぼんやりした光をうけて、夜空の中に、あのこうもり男が、つっ立っていたではありませんか。
 にせの一郎青年は、いつのまにか、こうもり男にばけて、大屋根にのぼっていたのです。
 どうして、あんな高いところへのぼることができたのでしょう。あとでわかったのですが、四十面相は、あらかじめ、大屋根のてっぺんから、窓の外へ、黒いつなをたらしておいたのです。
 そして、窓をとびだすと、そのつなにすがって、さるのように、するすると、大屋根までのぼりついたのです。
「アッ、あいつ、宝石ばこをかかえているぞッ。」
 あの、むらさきのふろしきにつつんだ四角なはこを、だいじそうにこわきにかかえているのです。
「け、け、け、け……。」
 空から、きみのわるい怪人の笑い声がひびいてきました。庭から見あげている刑事たちをあざ笑っているのです。
 刑事たちは、きゅうに考えをきめることができませんでした。四十面相をとらえるためには、まず、はしごで一階の屋根にのぼり、そこからまたはしごをかけて、二階の屋根にのぼるしかないのですが、あいては曲芸師のようなやつです。そんなことをしているうちに、といでもつたって下へおりられたら、なんにもなりません。それに、といは洋館のむこうがわにもあるのですから、三人の刑事では、人数がたりないのです。
「おい、電話をかけろ。パトカーを呼ぶんだ。ぼくら三人では、どうにもできない。」
 そして、ひとりの刑事が、電話をかけるために、洋館のげんかんへかけだそうとした時です。
 空を見あげていたべつの刑事が、
「アッ。」と、声をたてました。
 大屋根の上から、まっ黒なものが、サアッととびおりてきたのです。
 巨大なこうもりが、マントの羽根をいっぱいにひろげて、刑事たちの頭の上へ、とびかかってきたのです。
 三人の刑事は、ギョッとして、おもわず地面にうずくまりました。
 すると、刑事たちのすぐそばまでとびおりてきた大こうもりが、そのまま、西洋館の反対の空中へ、スウッとまいあがっていったではありませんか。
 ああ、わかった。ぶらんこです。四十面相のこうもり男は、大屋根から黒いつなにすがって、ぶらんこをやったのです。
 淡谷さんの庭には、近所のめじるしになるような大きなしいの木がそびえています。そのしいの木は、上のほうでふたまたにわかれ、一方の枝が、ずっと横のほうにのびています。その太い枝に黒いつなをむすびつけ、つなのはじを大屋根までわたしておいて、四十面相はそれにすがって、とびおりたのです。
 すると、その黒いつなが大きなふりこになって、サアッと地面に近づいたかとおもうと、こんどは反対の方角へスウッとあがっていったのです。
 その方角に、淡谷邸の高いコンクリート(べい)があり、その外は、道路になっています。四十面相のこうもり男は、つながコンクリート塀の上にとどいた時、パッと手をはなして、塀の外へとびおりてしまいました。
 こうもり男は、一郎青年に化けるまえに、たびたび淡谷邸にしのびこんで、屋根の上にすがたをあらわしたり、庭から書斎の窓をのぞいたりしていたのですから、その時、ぶらんこの用意をしておいたのでしょう。

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