もともと宇宙万物のはじまりは、根幹となるものはできあがっていたものの、名もなく動きもなく、誰もその形を知ることはできません。
それから天と地が分かれて初めて最初の神が登場し、男女の性が分かれてイザナギの神(伊邪那岐命)、イザナミの神(伊邪那美命)が、万物の親となりました。
イザナギは死者の世界を訪れたあと、再び戻り、太陽と月の神などさまざまな神を誕生させました。
太古の時代のことははっきりしないものの、多くの言い伝えや昔の賢者のおかげで、国や島が誕生したことや神代のできごとを知ることができます。
天岩戸(あまのいわと)の話や、アマテラス(天照大神)とスサノオの誓約(うけい?占い)などを経て、代々の天皇が続き、多くの神が繁栄してきました。また神々が相談し、大国主(おおくにぬし)と談判して日本の国土を平定することができました。
こうしてニニギノミコトが初めて高天原(たかまがはら?天上界)から地上にお降りになって、初代?神武天皇(じんむてんのう)が大和国を巡りました。
第10代?崇神天皇(すじんてんのう)は夢のお告げを受けて、天の神と地の神を崇敬された賢明な君主でした。第16代?仁徳天皇(にんとくてんのう)は民家から昇る煙の少なさを見て人民を慈しんだ聖帝だと伝わっています。
どの天皇もそれぞれ進歩や保守、派手さや地味さといった差がありましたが、昔のことを調べ、風紀と道徳を正し、世の徳を維持してきたのです。