山幸彦は別れ際に、紐がついた小刀をサメの首に付けてやりました。そんなわけでこの1.5mほどのサメのことを、刀を持つサメという意味でサヒモチ神(佐比持神)と今でも呼んでいます。
山幸彦は、ワタツミの言いつけどおりに釣り針を海幸彦に返しました。その後、海幸彦はだんだん貧しくなり、気持ちが荒んできました。
そしてついには山幸彦に向かってケンカを売って来たのです。
山幸彦は塩盈珠を使って海幸彦を水で溺れさせます。赦しを求めてきたので、今度は塩乾珠を使って救いました。
こうしてお仕置きを受けた海幸彦は頭を下げ、
「私は今後、昼も夜もあなたを守るためにお仕えします」
と謝ったのでした。
こんないきさつがあったので、海幸彦の子孫の隼人(はやと?鹿児島人)たちは溺れた姿をまねた踊りを演じて(隼人舞)、皇室に仕えているのです。