「何が起こっているかを君に話したいって、ダンブルドアにそう言ったよ」ロンが答えた。「ほんとだぜ、おい。だけど、ダンブルドアはいま、めちゃくちゃ忙いそがしいんだ。僕たち、ここに来てから二回しか会っていないし、あの人はあんまり時間が取れなかったし。ただ、僕たちが手紙を書くとき、重要なことは何も書かないって誓ちかわせられて。あの人は、ふくろうが途と中ちゅうで傍受ぼうじゅされるかもしれないって言った」
「それでも僕に知らせることはできたはずだ。ダンブルドアがそうしようと思えば」ハリーはずばりと言った。「ふくろうなしで伝言を送る方法を、ダンブルドアが知らないなんて言うつもりじゃないだろうな」
ハーマイオニーがロンをチラッと見て答えた。
「私もそう思ったの。でも、ダンブルドアはあなたに何にも知ってほしくなかったみたい」
「僕が信用できないと思ったんだろうな」二人の表情を見ながらハリーが言った。
「バカ言うな」ロンがとんでもないという顔をした。
「じゃなきゃ、僕が自分で自分の面倒を見られないと思った」
「もちろん、ダンブルドアがそんなこと思うわけないわ」ハーマイオニーが気遣きづかわしげに言った。
「それじゃ、君たち二人はここで起こっていることに加わってるのに、どうして僕だけがダーズリーのところにいなくちゃいけなかったんだ」言葉が次々と口を突ついて転がり出た。一ひと言ことしゃべるたびに声がだんだん大きくなった。「どうして君たち二人だけが、何もかも知っててもいいんだ」
「何もかもじゃない」ロンが遮さえぎった。「ママが僕たちを会議から遠ざけてる。若すぎるからって言って――」
ハリーは思わず叫さけんでいた。
「それじゃ、君たちは会議には参加してなかった。だからどうだって言うんだ 君たちはここにいたんだ。そうだろう 君たちは一いっ緒しょにいたんだ 僕は、一ヵ月もダーズリーのところに釘くぎづけだ だけど、僕は、君たち二人の手に負えないようなことでもいろいろやり遂とげてきた。ダンブルドアはそれを知ってるはずだ――賢者けんじゃの石を守ったのは誰だ リドルをやっつけたのは誰だ 君たちの命を吸きゅう魂こん鬼きから救ったのは誰だって言うんだ」