「ママは気が動転どうてんしてさ」ロンが言った。「わかるだろ――泣いたりとか。ママはロンドンに出てきて、パーシーと話をしようとしたんだ。ところがパーシーはママの鼻先はなさきでドアをピシャリさ。職しょく場ばでパパに出会ったら、パーシーがどうするかは知らない――無む視しするんだろうな、きっと」
「だけど、パーシーは、ヴォルデモートが戻ってきたことを知ってるはずだ」ハリーが考え考え言った。「ばかじゃないもの。君のパパやママが、何の証しょう拠こもないのにすべてを懸かけたりしないとわかるはずだ」
「ああ、うーん、君の名前も争いの引き合いに出された」ロンがハリーを盗み見た。
「パーシーが言うには、証拠は君の言葉だけだ……なんて言うのかな……パーシーはそれじゃ不十分だって」
「パーシーは『日にっ刊かん予よ言げん者しゃ新しん聞ぶん』を真まに受けてるのよ」ハーマイオニーが辛辣しんらつな口調で言った。すると、全員が首をこっくりした。
「いったい何のこと」ハリーがみんなを見回しながら聞いた。どの顔もはらはらしてハリーを見ていた。
「あなた――あなた、読んでなかったの 『日刊予言者新聞』」ハーマイオニーが恐る恐る聞いた。
「読んでたさ」ハリーが言った。
「読んでたって――あの――完全に」ハーマイオニーがますます心配そうに聞いた。
「隅すみから隅までじゃない」ハリーは言い訳がましく言った。「ヴォルデモートの記事が載のるなら、一面大おお見み出だしだろう 違う」
みんながその名を聞いてぎくりとした。ハーマイオニーが急いで言葉を続けた。「そうね、隅から隅まで読まないと気がつかないけど、でも、新聞に――うーん――一週間に数回はあなたのことが載ってるわ」
「でも、僕、見なかったけど――」
「一面だけ読んでたらそうね。見ないでしょう」ハーマイオニーが首を振りながら言った。
「大きな記事のことじゃないの。決まり文句のジョークみたいに、あちこちに潜もぐり込こんでるのよ」
「どういう――」