第5章 不死鳥の騎士団 The Order of the Phoenix
「誰に――」
「わが親愛しんあいなる母上にだよ」シリウスが言った。「かれこれ一ヵ月もこれを取りはずそうとしているんだが、この女は、カンバスの裏うらに『永えい久きゅう粘ねん着ちゃく呪じゅ文もん』をかけたらしい。さあ、下に行こう。急いで。ここの連中がまた目を覚まさないうちに」
「だけど、お母さんの肖しょう像ぞう画ががどうしてここにあるの」ホールから階下に降おりる扉とびらを開けると、狭せまい石の階段が続いていた。その階段を下りながら、わけがわからず、ハリーが聞いた。他のみんなも、二人のあとから下りてきた。
「誰も君に話していないのか ここはわたしの両親の家だった」シリウスが答えた。「しかし、わたしがブラック家の最後の生き残りとなった。だから、いまはわたしの家だ。わたしがダンブルドアに本部として提てい供きょうした――わたしには、それぐらいしか役に立つことがないんでね」
シリウスはハリーが期待していたような温あたたかい歓迎かんげいをしてくれなかったが、シリウスの言い方がなぜか苦く渋じゅうに満ちていることに、ハリーは気づいていた。ハリーは名な付づけ親おやに続いて、階段を一番下まで下り、地下の厨ちゅう房ぼうに入る扉を通った。
そこは、上のホールとほとんど同じように暗く、粗あらい石壁いしかべのがらんとした広い部屋だった。明かりと言えば、厨ちゅう房ぼうの奥にある大きな暖炉だんろの火ぐらいだ。パイプの煙が、戦せん場じょうの焼け跡あとの煙のように漂ただよい、その煙の向こうに、暗い天井から下がった重い鉄鍋てつなべや釜かまが不ぶ気き味みな姿を見せていた。会議用に椅子がたくさん詰つめ込こまれていたらしい。その真ん中に長い木のテーブルがあり、羊よう皮ひ紙しの巻紙まきがみやゴブレット、ワインの空あき瓶びん、それにボロ布きれの山のようなものが散らかっていた。ウィーズリーおじさんは、テーブルの端のほうで長男のビルと額ひたいを寄せ合い、ひそひそ話していた。
ウィーズリーおばさんが咳払せきばらいをした。角縁つのぶちメガネを掛かけ、痩やせて、赤毛あかげが薄うすくなりかかったウィーズリーおじさんが、振り返って、勢いきおいよく立ち上がった。
第5章 凤凰社
“你的—— ?”
“是啊,我亲爱的好妈妈。”小天狼星说,“一个月来,我们一直想把她弄下来,但她似乎在帆布后面念了一个永久粘贴咒。我们下楼去吧,快点儿,别等他们又醒过来。”
“可是你母亲的肖像放在这里做什么?”哈利疑惑地问,这时他们已经穿过那扇门出了门厅,正顺着一道狭窄的石头台阶往下走,其他人都跟在后面。
“没有人告诉过你吗?这是我父母的房子。”小天狼星说,“但布莱克家族就剩下我一个人了,所以这房子现在归我所有。我把它交给邓布利多当指挥部—— 我能做的大概也就这点有用的事情了。”
哈利原来以为他会得到比较热情的欢迎,却发现小天狼星说话的口气是那么生硬、冷漠。他跟着教父走到楼梯底下,穿过一道门,进入了地下室的厨房。
这里几乎和上面的门厅里一样昏暗,一个洞穴般幽深的房间,四周是粗糙的石头墙壁。大部分光线都来自房间那头的一个大壁炉。管子里冒出的烟雾弥漫在空气中,如同战场上的硝烟,黑乎乎的天花板上挂下来的沉甸甸的铁锅铁盆,在烟雾中显得面目狰狞,阴森可怖。因为开会,房问里摆满了许多椅子,中间是一张长长的木头桌子,桌上散乱地放着羊皮纸卷、高脚酒杯、空酒瓶和一堆看上去像是破布的东西。韦斯莱先生和他的长子比尔坐在桌子那一头,脑袋凑在一起小声说着什么。
韦斯莱夫人清了清嗓子。她的丈夫,一个秃顶、红发、戴着角质架眼镜的瘦男人抬头望了望,赶紧站了起来。