ウィーズリーおじさん、ビル、ルーピンは小鬼ゴブリンについて話し込んでいた。
「連中はまだ何にも漏もらしていないんですよ」ビルが言った。「『例のあの人』が戻ってきたことを、連中が信じているのかいないのか、僕にはまだ判断がつかない。むろん、連中にしてみれば、どちらにも味方しないでいるほうがいいんだ。何にもかかわらずに」
「連中は『例のあの人』側につくことはないと思うね」ウィーズリーおじさんが頭を振りながら言った。「連中も痛手いたでを蒙こうむったんだ。前回、ノッティンガムの近くで『あの人』に殺された小こ鬼おにの一家のことを憶おぼえてるだろう」
「私の考えでは、見返りが何かによるでしょう」ルーピンが言った。「金きんのことじゃないんですよ。我々魔法使いが、連中に対して何世紀も拒こばんできた、自由を提てい供きょぅすれば、連中も気持が動くでしょう。ビル、ラグノックの件けんはまだ上う手まくいかないのかね」
「いまのところ、魔法使いへの反感はんかんが相当強いですね」ビルが言った。「バグマンの件で、まだ罵ののしり続けていますよ。ラグノックは、魔法省が隠蔽いんぺい工作をしたと考えています。例の小こ鬼おにたちは、結局バグマンから金をせしめることができなかったんです。それで――」
テーブルの真ん中から、大だい爆ばく笑しょうが上がりビルの言葉を掻かき消してしまった。フレッド、ジョージ、ロン、マンダンガスが椅子の上で笑い転げていた。
「……それでよぅ」マンダンガスが涙を流し、息を詰つまらせながらしゃべっていた。「そンで、信じられねえかもしンねえけどよぅ、あいつがおれに、おれによぅ、こう言うんだ。『あー、ダング、ヒキガエルをそんなに、どっから手に入れたね なにせ、どっかのならずもンが、おれのヒキガエルを全部盗みやがったんで』おれは言ってやったね。『ウィル、おめえのヒキガエルを全部 次はなにが起こるかわかったもんじゃねえなぁ そンで、おめえは、ヒキガエルを何匹なんびきかほしいってぇわけだな』そンでよぅ、信じられるけぇ あの脳たりんのガーゴイルめ、おれが持ってた、やつのヒキガエルをそっくり買い戻しやがった。最初にやつが払った値段ねだんよりずんと高い金でよぅ――」