ハリーは胃袋が埃ほこりっぽい絨じゅう毯たんの下まで沈み込んだような気がした。尋問のことは、昨夜の夕食のとき以来、考えていなかった。一番好きな人たちと再会した喜びと、何が起こっているかを聞いた興こう奮ふんで、尋問は完全に頭から吹き飛んでいた。しかし、シリウスの言葉で、押しつぶされそうな恐きょう怖ふ感かんが戻ってきた。ハリーはサンドイッチを貪むさぼっているウィーズリー兄弟妹きょうだいとハーマイオニーをじっと見た。みんなが自分を置いてホグワーツに帰ることになったら、僕はどんな気持がするだろう。
「心配するな」シリウスが言った。
ハリーは目を上げ、シリウスが自分を見つめているのに気づいた。
「無罪むざいになるに決まっている。『国こく際さい機き密みつ保ほ持じ法ほう』に、自分の命を救うためなら魔法を使ってもよいと、間違いなく書いてある」
「でも、もし退学になったら」ハリーが静かに言った。「ここに戻って、おじさんと一いっ緒しょに暮らしてもいい」
シリウスは寂さびしげに笑った。
「考えてみよう」
「ダーズリーのところに戻らなくてもいいとわかっていたら、僕、尋じん問もんのこともずっと気が楽になるだろうと思う」ハリーはシリウスに答えを迫せまった。
「ここのほうがよいなんて、連中はよっぽどひどいんだろうな」シリウスの声が陰気いんきに沈んでいた。
「そこの二人、早くしないと食べ物がなくなりますよ」ウィーズリーおばさんが呼びかけた。
シリウスはまた大きなため息をつき、タペストリーに暗い視線しせんを投げた。それから二人はみんなのところへ行った。
哈利觉得他的心似乎一下子沉到肮脏的地毯下面去了。自从前一天晚上吃完饭之后,他就再没有想过受审的事。他终于回到了他最喜欢的人身边,听人们讲述着正在发生的事情,这使他非常兴奋,早就把这件事忘到了九霄云外。现在听了小天狼星的话,那种万念俱灰的恐惧感又回来了。他呆呆地望着正在狼吞虎咽吃三明治的赫敏和韦斯莱兄弟,想着如果自己不能跟他们一起回霍格沃茨,该是一种什么滋味。
“别担心。”小天狼星说。哈利抬起头,这才发现小天狼星一直在注视着自己。“我相信他们一定会宣告你无罪的,《国际保密法》里肯定有允许人们为了保全性命而使用魔法的条款。”
“但如果他们真的开除了我,”哈利小声问,“我能回到这里跟你住在一起吗?”
小天狼星露出忧伤的笑容。
“到时候看吧。”
“如果我知道用不着回到德思礼家去,我就不那么害怕受审了。”哈利央求道。
“你竟然宁愿住在这里,他们肯定对你很坏。”小天狼星忧郁地说。
“快点,你们两个,不然就什么吃的也没有了。”韦斯莱夫人喊道。
小天狼星又沉重地长叹了一声,朝挂毯投去悲哀的一瞥,便和哈利一起来到其他人身边。