ウィーズリーおじさんは、片手かたてをジャケットに突つっ込こんだまま歩いていた。その手が杖つえを握にぎり締しめていることを、ハリーは知っていた。荒れ果てた通りにはほとんど人影ひとかげもなかったが、みすぼらしい小さな地下鉄の駅にたどり着くと、そこはすでに早朝の通つう勤きん客きゃくで一いっ杯ぱいだった。いつものことだが、マグルが日常の生活をしているのを身近に感じると、おじさんは興こう奮ふんを抑おさえ切れないようだった。
「まったくすばらしい」おじさんは自じ動どう券けん売ばい機きを指差して囁ささやいた。「驚おどろくべき思いつきだ」
「故こ障しょうしてるよ」ハリーが貼はり紙を指差した。
「そうか。しかし、それでも……」おじさんは機械に向かって愛いとおしげににっこりした。
二人は機械ではなく、眠そうな顔の駅員から切符を買ったおじさんはマグルのお金に疎うといので、ハリーがやり取りした。そして五分後、二人は地下鉄に乗り、ロンドンの中心部に向かってガタゴト揺ゆれていた。ウィーズリーおじさんは窓の上に貼ってある地下鉄の地図を、心配そうに何度も確かめていた。
「あと四駅だ、ハリー……これであと三つになった……あと二つだ、ハリー」
ロンドンの中心部の駅で、ブリーフケースを抱えたスーツ姿の男女の波に流されるように、二人は電車を降おりた。エスカレーターを上り、改かい札さつ口ぐちを通り自動改札機に切符が吸い込まれるのを見て、おじさんは大喜びだった、広い通りに出た。通りには堂々どうどうたるビルが立ち並び、すでに車で混雑こんざつしていた。
韦斯莱先生走路时一只手插在夹克衫里,哈利知道那手里一定攥着魔杖。破败的街道上几乎一个人也没有,可是当他们走进寒酸的、不起眼的地铁车站时,发现里面已经挤满了早晨上班的乘客。韦斯莱先生难以抑制内心的浓厚兴趣,他每次发现自己与正在处理日常事务的麻瓜们近在咫尺时都是这样。
“真是不可思议,”他小声说,指的是自动售票机,“太奇妙了。”
“已经坏了。”哈利指着告示牌。
“是吗,但即使这样……”韦斯莱先生说,满心喜爱、笑眯眯地望着那些售票机。
他们还是从一个睡眼惺忪的管理员手里买了地铁票(这笔交易是哈利完成的,因为韦斯莱先生不太搞得清麻瓜的货币),五分钟后,他们登上了地铁。地铁载着他们哐啷哐啷地朝伦敦市中心驶去。韦斯莱先生紧张地一遍遍核对窗户上面的地铁路线图。
“还有四站,哈利现在还有三站……还有两站,哈利……”
他们在伦敦市中心的一站下了车,人流如潮,他们被无数衣冠楚楚、提着公文包的男男女女推挤着出了地铁。他们上了自动扶梯,通过检票处(韦斯莱先生看到旋转栅门那样灵巧地吞下他的车票,显得非常高兴),来到一条宽阔的街道上,两边都是威严壮观的建筑物,街上已经是车水马龙。