「でかくて、マントを着て」マダム・ボーンズが冷たく繰くり返し、ファッジは嘲あざけるようにフンと言った。「なるほど、ほかに何かありますか」
「あります」フィッグばあさんが言った。「あたしゃ、感じたんですよ。なにもかも冷たくなって、しかも、あなた、とっても暑あつい夏の夜で。それで、あたしゃ、感じましたね……まるでこの世から幸せってもんがすべて消えたような……それで、あたしゃ、思い出しましたよ……恐ろしいことを……」
ばあさんの声が震ふるえて消えた。
マダム・ボーンズの目が少し開いた。片メガネが食い込んでいた眉の下に、赤い跡あとが残っているのをハリーは見た。
「吸魂鬼は何をしましたか」マダム・ボーンズが聞いた。ハリーは希望が押し寄せてくるのを感じた。
「やつらは男の子に襲おそいかかった」フィッグばあさんの声が、こんどはしっかりして、自信があるようだった。顔のピンク色も退ひいていた。
「一人が倒れた。もう一人は吸きゅう魂こん鬼きを追い払おうとして後退あとずさりしていた。それがハリーだった。二回やってみたが銀色の霞かすみしか出なかった。三回目に創つくり出した守しゅ護ご霊れいが、一人目の吸魂鬼に襲おそいかかった。それからハリーに励はげまされて、二人目の吸魂鬼をいとこから追っ払った。そしてそれが……それが起こったことで」フィッグばあさんは尻切しりきれトンボに言い終えた。
“很大,穿着斗篷,”博恩斯女士冷冷地重复了一遍——
福吉讥讽地哼了一声,“我明白了。还有别的吗?”
“有,”费格太太说,“我感觉到了它们。所有的一切都变得很冷,别忘了当时是很炎热的夏天的夜晚呀。然后我觉得——似乎所有的快乐都从世界上消失了——我想起了——可怕的事情——”
她的声音颤抖着,渐渐听不见了。
博恩斯女士的眼睛微微睁大了。哈利可以看见她眉毛下面刚才镜片陷进去的地方留下的红印。
“摄魂怪做了什么?”她问,哈利内心升起一丝希望。
“它们朝两个男孩扑去,”费格太太说,现在她的声音更有力、更自信了,脸上的红晕也退去了。“一个男孩倒下了,另一个一边后退一边试着击退摄魂怪。这是哈利。他试了两次,变出来的只是银色烟雾。第三次再试,他变出了一个守护神。那守护神冲过去撞倒了第一个摄魂怪,然后它鼓足勇气,又把第二个摄魂怪从哈利表哥身边赶跑了。这就是——这就是当时发生的事情。”
费格太太说完了,她的声音有点儿软弱无力。