「いったいどうした」フレッドが焦じれったそうに言うと、ロンの後ろに回り込み、肩越しに羊よう皮ひ紙しを読んだ。
フレッドの口もぱっくり開いた。
「監かん督とく生せい」目を丸くして手紙を見つめ、フレッドが言った。
「監督生」
ジョージが飛び出して、ロンがもう片方かたほうの手に持っている封筒をひっつかみ、逆さかさにした。中から赤と金の何かがジョージの手のひらに落ちるのをハリーは見た。
「まさか」ジョージが声をひそめた。
「間違いだろ」
フレッドがロンの握にぎっている手紙をひったくり、透すかし模様もようを確かめるかのように光にかざして見た。
「正しょう気きでロンを監督生にするやつぁいないぜ」
双子ふたごの頭が同時に動いて、二人ともハリーをじっと見つめた。
「君が本命ほんめいだと思ってた」
フレッドは、まるでハリーがみんなを騙だましたのだろうという調子だった。
「ダンブルドアは絶対君を選ぶと思った」ジョージが怒ったように言った。
「三校対たい抗こう試じ合あいに優ゆう勝しょうしたし」フレッドが言った。
「ぶっ飛んだことがいろいろあったのが、マイナスになったかもな」
ジョージがフレッドに言った。
「そうだな」フレッドが考えるように言った。「うん、相棒あいぼう、君はあんまりいろいろトラブルを起こしすぎたぜ。まあ、少なくともご両人のうち一人は、何がより大切かわかってたってこった」
フレッドが大股おおまたでハリーに近づき、背中をバンと叩たたいた。一方いっぽうロンには軽蔑けいべつしたような目つきをした。
「監督生……ロニー坊やが、監督生」
「おうおう、ママがむかつくぜ」
ジョージは、監かん督とく生せいのバッジが自分を汚けがすかのようにロンに突つっ返し、呻うめくように言った。