「誰」ハリーは声をかけた。
答えはなかった。啜り泣きだけが続いていた。ハリーは残りの階段を二段飛びで上がり、踊り場を横切って客間の扉とびらを開けた。
暗い壁際かべぎわに誰かが蹲うずくまっている。杖つえを手にして、体中を震ふるわせて啜り泣いている。埃ほこりっぽい古い絨じゅう毯たんの上に月明かりが切り取ったように射さし込こみ、そこにロンが大の字に倒たおれていた。死んでいる。
ハリーは、肺の空気が全部抜けたような気がした。床を突き抜けて下に落ちていくような気がした。頭の中が氷のように冷たくなった――ロンが死んだ。嘘うそだ。そんなことが――。
待てよ、そんなことはありえない――ロンは下の階にいる――。
「ウィーズリーおばさん」ハリーは声がかすれた。
「リ――リ――リディクラス」おばさんが、泣きながら震ふるえる杖つえ先さきをロンの死体に向けた。
パチン。
ロンの死体がビルに変わった。仰向あおむけに大の字になり、虚うつろな目を見開いている。ウィーズリーおばさんは、ますます激はげしく啜すすり泣いた。
「リ――リディクラス」おばさんはまた啜り上げた。
パチン。
ビルがウィーズリーおじさんの死体に変わった。メガネがずれ、顔からすーっと血が流れた。
「やめてーっ」おばさんが呻うめいた。「やめて……リディクラス リディクラス リディクラス」
パチン、双子ふたごの死体。パチン、パーシーの死体。パチン、ハリーの死体……。
「おばさん、ここから出て」絨じゅう毯たんに横たわる自分の死体を見下ろしながら、ハリーが叫さけんだ。
「誰かほかの人に――」
「どうした」
“喂?”哈利说。
没有人回答,哭泣声在继续。他一步两级地走完最后几级楼梯,走过平台,推开了客厅的门。
有一个人蜷缩在黑暗的墙边,手里拿着魔杖,哭得整个身体都在颤抖。而四肢伸展躺在灰扑扑的旧地毯上,躺在皎洁的月光下的,正是罗恩,显然已经死了。
哈利一下子觉得肺里的空气似乎都被吸空了,他觉得自己正朝地板下面坠落,大脑里一片冰冷——罗恩死了,不,这不可能——可是等一等,这不可能呀——罗恩在楼下呢——
“韦斯莱夫人?”哈利哑着嗓子说。
“滑—滑—滑稽滑稽!”韦斯莱夫人啜泣着说,用颤抖的魔杖指着罗恩的尸体。
啪!罗恩的尸体变成了比尔的,伸展四肢仰面躺着,空洞失神的眼睛睁得大大的。韦斯莱夫人哭得比刚才更厉害了。
“滑—滑稽滑稽!”她又抽抽搭搭地说。
啪!韦斯莱先生的尸体取代了比尔的。眼镜歪在一边,一道鲜血从脸上流淌下来。
“不!”韦斯莱夫人呻吟道,“不——滑稽滑稽!滑稽滑稽!滑稽滑稽!”
啪!死去的双胞胎。啪!死去的珀西。啪!死去的哈利——
“韦斯莱夫人,赶紧离开这里!”哈利瞪着地板上他自己的尸体喊道,“让别人——”
“出什么事了?”