三人は大だい理り石せきの階段の下にたどり着いた。四年生のレイブンクロー生が一列になって玄げん関かんホールを通りかかり、ハリーを見つけると群れを固めた。群れを離はなれるとハリーに襲おそわれるのを恐れているかのようだった。
「そうだとも。まさに、あんな連中と仲良くするように努めるべきだな」ハリーが皮肉ひにくった。
三人はレイブンクロー生のあとから大広間に入ったが、自然に教きょう職しょく員いんテーブルのほうに目が行ってしまった。グラブリー‐プランク先生が、天てん文もん学がくのシニストラ先生としゃべっていた。ハグリッドは、いないことでかえって目立っていた。魔法のかかった天井はハリーの気分を映うつして、惨みじめな灰色の雨雲だった。
「ダンブルドアは、グラブリー‐プランクがどのぐらいの期間いるのかさえ言わなかった」グリフィンドールのテーブルに向かいながら、ハリーが言った。
「たぶん……」ハーマイオニーが考え深げに言った。
「なんだい」ハリーとロンが同時に聞いた。
「うーん……たぶんハグリッドがここにいないということに、あんまり注意を向けたくなかったんじゃないかな」
「注意を向けないって、どういうこと」ロンが半分笑いながら言った。「気づかないほうが無理だろ」
ハーマイオニーが反論はんろんする前に、ドレッドヘアの髪かみを長く垂たらした背の高い黒人の女性が、つかつかとハリーに近づいてきた。
「やあ、アンジェリーナ」
「やぁ、休みはどうだった」アンジェリーナがきびきびと挨あい拶さつし、答えも待たずに言葉を続けた。「あのさ、私、グリフィンドール・クィディッチ・チームのキャプテンになったんだ」
「そりゃいいや」ハリーがにっこりした。アンジェリーナの試合前演説えんぜつは、オリバー・ウッドほど長ったらしくないだろうと思った。それは、一つの改善かいぜん点と言える。
「うん。それで、オリバーがもういないから、新しいキーパーが要いるんだ。金曜の五時に選抜せんばつするから、チーム全員に来てほしい。いい そうすれば、新人がチームにうまくはまるかどうかがわかるし」
「オッケー」ハリーが答えた。
アンジェリーナはにっこりして歩き去った。