こんどはマクゴナガル先生がテーブルを回り、時間割を渡していた。
「見ろよ、今日のを」ロンが呻うめいた。「『魔ま法ほう史し』、『魔ま法ほう薬やく学がく』が二時限続き、『占うらない学』、二時限続きの『闇やみの魔ま術じゅつ防ぼう衛えい』……ビンズ、スネイプ、トレローニー、それにあのアンブリッジ婆ばばぁ。これ全部、一日でだぜ フレッドとジョージが急いで『ずる休みスナックボックス』を完成してくれりゃなあ……」
「我が耳は聞き違いしや」フレッドが現れて、ジョージと一いっ緒しょにハリーの横に無理やり割り込んだ。「ホグワーツの監かん督とく生せいが、よもやずる休みしたいなど思わないだろうな」
「今日の予定を見ろよ」ロンがフレッドの鼻先に時間割を突つきつけて、不平たらたら言った。
「こんな最悪の月曜日は初めてだ」
「もっともだ、弟よ」月曜の欄らんを見てフレッドが言った。「よかったら『鼻血はなぢヌルヌル・ヌガー』を安くしとくぜ」
「どうして安いんだ」ロンが疑わしげに聞いた。
「なぜなればだ、体が萎しなびるまで鼻血が止まらない。まだ解げ毒どく剤ざいがない」ジョージが鰊にしんの燻製くんせいを取りながら言った。
「ありがとよ」ロンが時間割をポケットに入れながら憂鬱ゆううつそうに言った。「だけど、やっぱり授業に出ることにするよ」
「ところで『ずる休みスナックボックス』のことだけど」ハーマイオニーがフレッドとジョージを見抜くような目つきで見た。「実じっ験けん台だい求むの広告をグリフィンドールの掲けい示じ板ばんに出すことはできないわよ」
「誰が言った」ジョージが唖然あぜんとして聞いた。
「私が言いました」ハーマイオニーが答えた。「それに、ロンが」
「僕は抜かして」ロンが慌あわてて言った。
ハーマイオニーがロンを睨にらみつけた。フレッドとジョージがニヤニヤ笑った。