「君もそのうち調子が変わってくるぜ、ハーマイオニー」クランペットにたっぷりバターを塗ぬりながら、フレッドが言った。「五年目が始まる。まもなく君は、スナックボックスをくれと、僕たちに泣きつくであろう」
「お伺うかがいしますが、なぜ五年目が『ずる休みスナックボックス』なんでしょう」
「五年目は『ふくろう』、つまり『普ふ通つう魔ま法ほう使いレベル試験しけん』の年である」
「それで」
「それで君たちにはテストが控ひかえているのである。教師たちは君たちを徹底的にしごきまくるから、神経しんけいが擦すり減ってしまうことになる」フレッドが満足そうに言った。
「俺おれたちの学年じゃ、が近づくと、半数が軽い神しん経けい衰すい弱じゃくを起こしたぜ」ジョージがうれしそうに言った。「泣いたり癇かん癪しゃくを起こしたり……パトリシア・スティンプソンなんか、しょっちゅう気絶きぜつしかかったな……」
「ケネス・タウラーは吹ふき出物でものだらけでさ。憶おぼえてるか」フレッドは思い出を楽しむように言った。
「あれは、おまえがやつのパジャマに球きゅう痘とう粉こを仕し掛かけたからだぞ」ジョージが言った。
「ああ、そうだ」フレッドがニヤリとした。「忘れてた……なかなか全部は憶えてられないもんだ」
「とにかくだ、この一年は悪夢だぞ。五年生は」ジョージが言った。「テストの結果を気にするならばだがね。フレッドも俺もなぜかずっと元気だったけどな」
「ああ……二人の点数は、たしか、三科目合格ごうかくで二人ともだっけ」ロンが言った。
「当たり」フレッドはどうでもいいという言い方だった。「しかし、俺たちの将しょう来らいは、学がく業ぎょう成せい績せきとは違う世界にあるのだ」