「変身術」も負けず劣おとらずひどかった。
「に落ちたくなかったら」マクゴナガル先生が厳いかめしく言った。「刻こっ苦く勉べん励れい、学び、練習に励はげむことです。きちんと勉強すれば、このクラス全員が『変身術』で合ごう格かく点てんを取れないわけはありません」ネビルが悲しげに、ちょっと信じられないという声を上げた。
「ええ、あなたもです、ロングボトム」マクゴナガル先生が言った。「あなたの術に問題があるわけではありません。ただ自信がないだけです。それでは……今日は『消しょう失しつ呪じゅ文もん』を始めます。『出しゅつ現げん呪文』よりは易やさしい術ですが、でテストされるものの中では一番難しい魔法の一つです。『出現呪文』は通常、いもりレベルになるまではやりません」
先生の言うとおりだった。ハリーは「消失呪文」が恐ろしく難しいと思った。二時限授業の最後になっても、ハリーもロンも、練習台のカタツムリを消し去ることができなかったが、ロンは自分のカタツムリが少しぼやけて見えると楽らっ観かん的てきな言い方をした。一方いっぽうハーマイオニーは、三度目でカタツムリを消し、マクゴナガル先生からグリフィンドールに十点のボーナス点をもらった。ハーマイオニーだけが宿題なしで、他の全員が、翌日よくじつの午後にもう一度カタツムリ消しに挑ちょう戦せんするため、夜のうちに練習するように言われた。
宿題の量にややパニックになりながら、ハリーとロンは昼休みの一時間を図書室で過ごし、魔法薬に月げっ長ちょう石せきをどう用いるかを調べた。ロンが毛糸の帽子ぼうしをけなしたのに腹を立て、ハーマイオニーは一いっ緒しょに来なかった。午後の「魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく」の時間のころ、ハリーはまた頭痛ずつうがしてきた。