二週目の罰則で最悪だったのは、ジョージの予測どおり、アンジェリーナの反応はんのうだった。火曜日の朝食で、ハリーがグリフィンドールのテーブルに到とう着ちゃくするや否いなや、アンジェリーナが詰つめ寄よった。あまりの大声に、マクゴナガル先生が教きょう職しょく員いんテーブルからやってきて、二人に襲おそいかかった。
「ミス・ジョンソン、大広間でこんな大騒ぎをするとはいったい何事です グリフィンドールから五点減点げんてん」
「でも先生――ポッターは性しょう懲こりもなく、また罰則を食らったんです――」
「ポッター、どうしたというのです」マクゴナガル先生は、矛先ほこさきを変え、鋭するどくハリーに迫せまった。「罰則 どの先生ですか」
「アンブリッジ先生です」ハリーはマクゴナガル先生の四角いメガネの奥にギラリと光る目を避さけて、ボソボソ答えた。
「ということは」マクゴナガル先生はすぐ後ろにいる好こう奇き心しん満々のレイブンクロー生たちに聞こえないように声を落とした。「先週の月曜に私わたくしが警告けいこくしたのにもかかわらず、またアンブリッジ先生の授業中に癇かん癪しゃくを起こしたということですか」
「はい」ハリーは床に向かって呟つぶやいた。
「ポッター、自分を抑おさえないといけません とんでもない罰ばつを受けることになりますよ グリフィンドールからもう五点減点げんてん」
「でも――えっ―― 先生、そんな」ハリーは理り不ふ尽じんさに腹が立った。「僕はあの先生に罰則を受けているのに、どうしてマクゴナガル先生まで減点なさるんですか」
「あなたには罰則がまったく効きいていないようだからです」マクゴナガル先生はぴしゃっと言った。「いいえ、ポッター、これ以上文句は許しません それに、あなた、ミス・ジョンソン、怒ど鳴なり合いは今後、クィディッチ・ピッチだけに止とどめておきなさい。さもないとチームのキャプテンの座ざを失うことになります」
マクゴナガル先生は堂々どうどうと教職員テーブルに戻って行った。アンジェリーナはハリーに心底しんそこ愛想あいそが尽きたという一瞥いちべつをくれてつんけんと歩き去った。ハリーはロンの隣となりに飛び込むように腰掛こしかけ、熱いきり立った。
「マクゴナガルがグリフィンドールから減点するなんて それも、僕の手が毎晩まいばん切られるからなんだぜ どこが公平なんだ どこが」
「わかるぜ、おい」ロンが気の毒そうに言いながら、ベーコンをハリーの皿に取り分けた。
「マクゴナガルはめっちゃくちゃさ」
しかし、ハーマイオニーは「日にっ刊かん予よ言げん者しゃ新しん聞ぶん」のページをガサゴソさせただけで、何も言わなかった。