天気はそのあともよくならなかった。七時、ハリーとロンが練習のためにクィディッチ競技場に出かけたが、あっという間にずぶ濡ぬれになり、ぐしょ濡れの芝生しばふに足を取られ、滑すべった。空は雷かみなりが来そうな鉛なまり色いろで、更こう衣い室しつの明かりと暖あたたかさは、ほんの束つかの間まのことだとわかっていても、ほっとさせられる。ジョージとフレッドは、自分たちの作った「ずる休みスナックボックス」を何か一つ使って、飛ぶのをやめようかと話し合っていた。
「……だけど、俺おれたちの仕し掛かけを、あの女は見破みやぶると思うぜ」フレッドが、唇を動かさないようにして言った。「『ゲーゲー・トローチ』を昨日きのう彼女に売り込まなきゃよかったなあ」
「『発熱はつねつヌガー』を試ためしてみてもいいぜ」ジョージが呟つぶやいた。「あれなら、まだ、誰も見たことがないし――」
「それ、効きくの」屋根を打つ雨音あまおとが激はげしくなり、建物の周りで風が唸うなる中で、ロンがすがるように聞いた。
「まあ、うん」フレッドが言った。「体温はすぐ上がるぜ」
「だけど、膿うみの入ったでっかいでき物もできるな」ジョージが言った。「しかも、それを取り除のぞく方法は未み解かい決けつだ」
「でき物なんて、見えないけど」ロンが双子ふたごをじろじろ見た。
「ああ、まあ、見えないだろう」フレッドが暗い顔で言った。「普通、公こう衆しゅうの面前に曝さらすところにはない」
「しかし、箒ほうきに座ると、これがなんとも痛い。なにしろ――」
「よーし、みんな。よく聞いて」キャプテン室から現れたアンジェリーナが大声で言った。
「たしかに理り想そう的てきな天候てんこうではないけど、スリザリンとの試合が、こんな天候だということもありうる。だから、どう対処たいしょするか、策さくを練ねっておくのはいいことだ。ハリー、たしかハッフルパフとの嵐あらしの中での試合で、雨でメガネが曇くもるのを止めるのに、何かやったね」
「ハーマイオニーがやった」ハリーはそう言うと、杖つえを取り出して自分のメガネを叩たたき、呪じゅ文もんを唱となえた。
「インパービアス 防水せよ」
「全員それをやるべきだな」アンジェリーナが言った。「雨が顔にさえかからなきゃ、視界しかいはぐっとよくなる――じゃ、みんな一いっ緒しょに、それ――『インパービアス』。オッケー。行こうか」
杖をユニフォームのポケットに戻し、箒ほうきを肩に、みんなアンジェリーナのあとについて更こう衣い室しつを出た。
一歩一歩泥濘ぬかるみが深くなる中を、みんなグチョグチョと競技場の中心部まで歩いた。「防水呪じゅ文もん」をかけていても、視界は最悪だった。周りはたちまち暗くなり、滝のような雨が競技場を洗い流していた。
天气并未好转,晚上七点钟哈利和罗恩去魁地奇球场训练时,几分钟就被淋得透湿,脚在湿漉漉的草地上打滑。天空灰沉沉的,雷声阵阵。进到温暖明亮的更衣室里真是舒了口气,尽管他们知道这轻松只是短暂的。他们发现弗雷德和乔治正在讨论要不要用速效逃课糖来躲避飞行。