「こんにちは」チョウがちょっと息を弾はずませた。
「やあ」ハリーが言った。
二人は一いっ瞬しゅん見つめ合った。それからハリーが言った。「あの――えーと――じゃ、行こうか」
「え――ええ……」
列に並んでフィルチのチェックを待ちながら、二人はときどき目が合って照てれ笑いしたが、話はしなかった。二人で外の清々すがすがしい空気に触ふれたとき、ハリーはほっとした。互いにもじもじしながら突っ立っているよりは、黙だまって歩くほうが気楽だった。風のある爽さわやかな日だった。クィディッチ競技場を通り過ぎるとき、ロンとジニーが観かん客きゃく席せきの上じょう端たんすれすれに飛んでいるのがちらりと見えた。自分は一いっ緒しょに飛べないと思うと、ハリーは胸が締しめつけられた。
「飛べなくて、とっても寂さびしいのね」チョウが言った。
振り返ると、チョウがハリーをじっと見ていた。
「うん」ハリーがため息をついた。「そうなんだ」
「最初に私たちが対戦たいせんしたときのこと、憶おぼえてる」
「ああ」ハリーはにやりと笑った。「君は僕のことブロックしてばかりいた」
「それで、ウッドが、紳しん士し面づらするな、必要なら私を箒ほうきから叩たたき落とせって、あなたにそう言ったわ」チョウは懐なつかしそうに微笑ほほえんだ。「プライド・オブ・ポーツリーとかいうプロチームに入団したと聞いたけど、そうなの」
「いや、パドルミア・ユナイテッドだ。去年、ワールドカップのとき、ウッドに会ったよ」
「あら、私もあそこであなたに会ったわ。憶えてる 同じキャンプ場だったわ。あの試合、ほんとによかったわね」
クィディッチ・ワールドカップの話題が、馬車道を通って校門を出るまで続いた。こんなに気軽にチョウと話せることが、ハリーには信じられなかった――実際じっさい、ロンやハーマイオニーに話すのと同じぐらい簡単だ――自信がついて朗ほがらかになってきたちょうどそのとき、スリザリンの女子学生の大集団が二人を追い越して行った。パンジー・パーキンソンもいる。
「ポッターとチャンよ」パンジーがキーキー声を出すと、一斉いっせいにクスクスと嘲あざけり笑いが起こった。「うぇー、チャン。あなた、趣味しゅみが悪いわね……少なくともディゴリーはハンサムだったけど」
女子生徒たちは、わざとらしくしゃべったり叫さけんだりしながら、足早に通り過ぎた。ハリーとチョウを大げさにちらちら見る子も多かった。みんなが行ってしまうと、二人はバツの悪い思いで黙り込んだ。ハリーはもうクィディッチの話題も考えつかず、チョウは少し赤くなって、足元を見つめていた。
「それで……どこに行きたい」ホグズミードに入ると、ハリーが聞いた。ハイストリート通りは生徒で一いっ杯ぱいだった。ぶらぶら歩いたり、ショーウィンドウをあちこち覗のぞいたり、歩道に屯たむろしてふざけたりしている。
「あら……どこでもいいわ」チョウは肩をすくめた。「んー……じゃあ、お店でも覗いてみましょうか」
“嗯……你想去哪儿?”进霍格莫德村时哈利问道。大街上全是学生,在街上溜达,看商店的橱窗,聚在一起玩闹。
“哦……我无所谓,”秋耸了耸肩,“嗯……就逛逛商店怎么样?”