夕食の後、ロンとジニーはシャワーを浴あびに行った。ハリーとハーマイオニーは混こみ合ったグリフィンドールの談だん話わ室しつに戻り、いつものように宿題の山に取りかかった。ハリーが「天てん文もん学がく」の新しい星せい座ざ図ずと三十分ほど格闘かくとうしたころ、フレッドとジョージが現れた。
「ロンとジニーは、いないな」椅子を引き寄せ、周りを見回しながら、フレッドが聞いた。ハリーは首を振った。すると、フレッドが言った。「ならいいんだ。俺おれたち、あいつらの練習ぶりを見てたけど、ありゃ死し刑けいもんだ。俺たちがいなけりゃ、あいつらまったくのクズだ」
「おいおい、ジニーはそうひどくないぜ」ジョージが、フレッドの隣となりに座りながら訂正ていせいした。
「実際じっさい、あいつ、どうやってあんなにうまくなったのかわかんねえよ。俺たちと一いっ緒しょにプレイさせてやったことなんかないぜ」
「ジニーはね、六歳のときから庭の箒ほうき置き場に忍び込んで、あなたたちの目を盗んで、二人の箒に代わりばんこに乗っていたのよ」ハーマイオニーが、山と積まれた古代ルーン文字の本の陰かげから声を出した。
「へえ」ジョージがちょっと感心したような顔をした。「なーるへそ――それで納得なっとく」
「ロンはまだ一度もゴールを守っていないの」「魔ま法ほう象しょう形けい文も字じと記号きごう文字」の本の上からこっちを覗のぞきながら、ハーマイオニーが聞いた。
「まあね、誰も自分を見ていないと思うと、ロンのやつ、ブロックできるんだけど」フレッドはやれやれという目つきをした。「だから、俺おれたちのやるべきことは何かと言えば、土曜日の試合で、あいつのほうにクアッフルが行くたんびに、観かん衆しゅうに向かってそっぽを向いて勝手にしゃべってくれって頼むことだな」
フレッドは立ち上がって、落ち着かない様子で窓際まどぎわまで行き、暗い校庭を見つめた。
「あのさ、俺たち、唯ゆい一いつクィディッチがあるばっかりに、学校に留まったんだ」
ハーマイオニーが厳きびしい目でフレッドを見た。
「もうすぐ試験があるじゃない」
「前にも言ったけど、いもり試験なんて、俺おれたちはどうでもいいんだ」フレッドが言った。
「例の『スナックボックス』はいつでも売り出せる。あの吹ふき出で物ものをやっつけるやり方も見つけた。マートラップのエキス数滴すうてきで片かたづく。リーが教えてくれた」
ジョージが大おお欠伸あくびをして、曇った夜空を憂鬱ゆううつそうに眺ながめた。