「いったい、なんでそんなにうれしそうなんだい」ハリーが聞いた。
「あら、ハリー、わからない」ハーマイオニーが声をひそめた。「学校中が、一人残らずあなたのインタビューを確実に読むようにするためにアンブリッジができることはただ一つ。禁止することよ」
どうやらハーマイオニーが図星ずぼしだった。ハリーは学校のどこにも「ザ・クィブラー」のクの字も見かけなかったのに、その日のうちにあらゆるところでインタビューの内容が話題になっているようだった。教室の前に並びながら囁ささやき合ったり、昼食のときや授業中に教室の後ろのほうで話し合ったりするのがハリーの耳に入ったし、ハーマイオニーの報告ほうこくによると、古代ルーン文字の授業の前にちょっと立ち寄った女子トイレでは、トイレの個室同士で全員その話をしていたと言う。
「それで、みんなが私に気づいて、私があなたの知り合いだということは当然みんなが知っているものだから、質問攻めに遭あったわ」ハーマイオニーは目を輝かがやかせてハリーに話した。「それでね、ハリー、みんな、あなたを信じたと思うわ。本当よ。あなた、とうとう、みんなを信用させたんだわ」
一方いっぽう、アンブリッジ先生は、学校中をのし歩き、抜き打ちに生徒を呼び止めては本を広げさせたり、ポケットをひっくり返すように命じた。「ザ・クィブラー」を探索たんさくしていることがハリーにはわかっていたが、生徒たちのほうが数枚上手うわてだった。ハリーのインタビューのページに魔法をかけ、自分たち以外の誰かが読もうとすると、教科書の要約ようやくに見えるようにしたり、次に自分たちが読むまでは白紙にしておく魔法をかけたりした。まもなく、学校中の生徒が一人残らず読んでしまったようだった。
先の教育令第二十六号で、もちろん先生方も、インタビューのことを口にすることは禁じられていた。にもかかわらず、他の何らかの方法で自分たちの気持を表した。スプラウト先生は、ハリーが水遣みずやりのジョウロを先生に渡したことで、グリフィンドールに二十点を与えた。フリットウィック先生は「呪じゅ文もん学がく」の授業の終りに、にっこりしてチューチュー鳴く砂糖さとうネズミ菓が子しを一箱ハリーに押しつけ、「シーッ」と言って急いで立ち去った。トレローニー先生は、「占うらない学がく」の授業中に突然ヒステリックに泣き出し、クラス全員が仰ぎょう天てんし、アンブリッジが渋しぶい顔をする前で、結局ハリーは早死しないし、十分に長生きし、魔法大臣になり、子供が十二人できると宣せん言げんした。
しかし、ハリーを一番幸せな気持にしたのは、次の日、急いで「変へん身しん術じゅつ」の教室に向かっていたとき、チョウが追いかけてきたことだった。何がなんだかわからないうちに、チョウの手がハリーの手の中にあり、耳元でチョウが囁ささやく声がした。「ほんとに、ほんとにごめんなさい。あのインタビュー、とっても勇敢ゆうかんだったわね……私、泣いちゃった」
“哦,哈利,你看不出来吗?”赫敏小声说,“如果她能做一件事绝对保证学校里每个人都会读采访你的文章,那就是禁止它!”
看来赫敏说得很对。到那天结束时,虽然哈利在学校里连《唱唱反调》的一个角都没见着,但似乎全校都在引用那篇采访中的话。哈利听到学生们在教室外排队时小声讲,吃午饭时也讲,上课时则在教室后面议论。赫敏甚至报告说.她在古代魔文课前急急忙忙上厕所时,听到每个小间里的人也都在说它。