アンブリッジ先生はダンブルドアを見つめ、石のように突っ立っていた。ダンブルドアは相変わらず物柔ものやわらかに微笑んでいる。
「それで」アンブリッジの囁ささやくような声は玄げん関かんホールの隅々すみずみまで聞こえた。「わたくしが新しい「占うらない学がく」の教師を任命にんめいし、あの方かたの住処すみかを使う必要ができたら、どうなさるおつもりですの」
「おお、それはご心配には及ばん」ダンブルドアが朗ほがらかに言った。「それがのう、わしはもう、新しい「占い学」教師を見つけておる。その方は、一階に棲すむほうが好ましいそうじゃ」
「見つけた――」アンブリッジが甲高かんだかい声を上げた。「あなたが、見つけた お忘れかしら、ダンブルドア、教きょう育いく令れい第二十二号によれば――」
「魔ま法ほう省しょうは、適切てきせつな候こう補ほ者しゃを任命にんめいする権利がある、ただし――校長が候補者を見つけられなかった場合のみ」ダンブルドアが言った。「そして、今回は、喜ばしいことに、わしが見つけたのじゃ。ご紹しょう介かいさせていただこうかの」
ダンブルドアは開け放はなった玄げん関かん扉とびらのほうを向いた。いまや、そこから夜霧よぎりが忍び込んできていた。ハリーの耳に蹄ひづめの音が聞こえた。玄関ホールに、ざわざわと驚おどろきの声が流れ、扉に一番近い生徒たちは、急いでさらに後ろに下がった。客人に道を空あけようと、慌あわてて転びそうになる者もいた。
霧の中から、顔が現れた。ハリーはその顔を、前に一度、禁じられた森での暗い、危険な一夜に見たことがある。プラチナ・ブロンドの髪かみに、驚くほど青い目、頭と胴は人間で、その下は黄金の馬、パロミノの体だ。
「フィレンツェじゃ」雷に打たれたようなアンブリッジに、ダンブルドアがにこやかに紹介した。「あなたも適任てきにんだと思われることじゃろう」
“等我任命了新的占卜课教师,需要用她的房间时,你打算拿她怎么办?”她小声说,但声音还是传遍了整个大厅。
“噢,那不成问题,”邓布利多愉快地说,“您看,我已经找了一位占卜课教师,他愿意住在一层。”
“你已经找了——?”乌姆里奇尖厉地说,“你已经找了?我提醒你,邓布利多,按照《第二十二号教育令》——”
“——当并只有当校长找不到合适人选时,魔法部有权任命教师。我很高兴宣布这一次我找到了。要我介绍一下吗?”他把头转向门口,夜雾从门中飘人。哈利听到了马蹄声,大厅中响起惊恐的低语,门边的人赶紧退得更远些,有的还绊倒了。雾中出现了一张脸,哈利曾于一个黑暗、危险的夜晚在禁林中见过:淡金色的头发、蓝得惊人的眼睛,人的头和四肢安在一匹淡黄褐色的马身上。“这位是费伦泽,”邓布利多愉快地对目瞪口呆的乌姆里奇说,“我想你会发现他很合适。”