「ドローレス」何かに徹てっ底てい的てきに決けっ着ちゃくをつけようという雰ふん囲い気きで、ファッジが言った。「今夜の会合かいごうだが――間違いなく行われたとわかっている集会のことだが――」
「はい」アンブリッジは気を取り直して答えた。「はい……ええ、ミス・エッジコムがわたくしに漏もらし、私は信用できる生徒たちを何人か連れて、すぐさま八階に赴おもむきました。会合に集まった生徒たちを現げん行こう犯はんで捕つかまえようと思いましたのでね。ところが、私が来るという警告けいこくが前もって伝わったらしく、八階に着いたときには、みんなが蜘く蛛もの子を散らすように逃げて行くところでした。しかし、それはどうでもよろしい。全員の名前がここにあります。ミス・パーキンソンが、わたくしの命めいで、何か残っていないかと『必要ひつようの部へ屋や』に駆かけ込こみましてね。証しょう拠こが必要でしたが、それが部屋にありました」
ハリーにとっては最悪なことに、アンブリッジはポケットから、「必要の部屋」の壁かべに貼はってあった名簿めいぼを取り出し、ファッジに手渡した。
「このリストにポッターの名前を見た瞬しゅん間かん、わたくしは問題が何かわかりました」アンブリッジが静かに言った。
「でかした」ファッジは満面まんめんの笑みだった。「でかしたぞ、ドローレス。さて……なんと……」
ファッジは、杖つえを軽く握にぎってマリエッタのそばに立ったままのダンブルドアを見た。
「生徒たちが、グループを何と命名めいめいしたかわかるか」ファッジが低い声で言った。「ダンブルドア軍団ぐんだんだ」
ダンブルドアが手を伸ばしてファッジから羊よう皮ひ紙しを取った。ハーマイオニーが何ヵ月も前に手書きした会の名前をじっと見つめ、ダンブルドアは、しばらく言葉が出ないように見えた。それから目を上げたダンブルドアは、微笑ほほえんでいた。
「さて、万ばん事じ休きゅうすじゃな」ダンブルドアはさばさばと言った。「わしの告こく白はく書しょをお望みかな、コーネリウス――それとも、ここにおいでの目もく撃げき者しゃを前に一言述べるだけで十分かの」
マクゴナガルとキングズリーが顔を見合わせるのを、ハリーは見た。二人とも恐きょう怖ふの表情を浮かべていた。何が起こっているのか、ハリーにはわからなかった。どうやらファッジもわからなかったらしい。