「先生、すみません」ハリーは息を切らしてドアを閉めながら謝あやまった。「僕、忘れていました」
「かまいません。ポッター」マクゴナガル先生がきびきびと言った。ところが、そのとき、誰かが隅すみのほうでフンフン鼻はなを鳴ならした。ハリーは振り返った。
アンブリッジ先生が座っていた。膝ひざにはクリップボードを載のせ、首の周りはごちゃごちゃうるさいフリルで囲み、悦えつに入った気持の悪い薄うすら笑いを浮かべている。
「お掛かけなさい、ポッター」マクゴナガル先生が素そっ気けなく言った。机に散らばっているたくさんの案あん内ない書しょを整理せいりしながら、先生の手がわずかに震ふるえていた。
ハリーはアンブリッジに背を向けて腰掛こしかけ、クリップボードに羽は根ねペンで書く音が聞こえないふりをするよう努力した。
「さて、ポッター、この面接めんせつは、あなたの進路しんろに関して話し合い、六年目、七年目でどの学科を継続けいぞくするかを決める指導しどうをするためのものです」マクゴナガル先生が言った。「ホグワーツ卒業後、何をしたいか、考えがありますか」
「えーと――」ハリーが言った。
後ろでカリカリ音がするのでとても気が散った。
「何ですか」マクゴナガル先生が促うながした。
「あの、考えたのは、『闇やみ祓ばらい』はどうかなぁと」ハリーはモゴモゴ言った。
「それには、最さい優ゆう秀しゅうの成績せいせきが必要です」マクゴナガル先生はそう言うと、机の上の書類の山から、小さな黒い小しょう冊さっ子しを抜ぬき出して開ひらいた。「いもりは少なくとも五科目かもくパスすることが要よう求きゅうされ、しかも「イー・期待以上」より下の成績は受け入れられません。なるほど。それから、闇祓い本部で、一連の厳きびしい性格・適性てきせいテストがあります。狭せまき門ですよ、ポッター、最高の者しか採とりません。事実、この三年間は一人も採用さいようされていないと思います」
このときアンブリッジ先生が、小さく咳せきをした。まるでどれだけ静かに咳ができるのかを試ためしたかのようだった。マクゴナガル先生は無む視しした。
“没关系,波特。”麦格教授轻快地说,可是当她说话时,有人在角落里吸了吸鼻子。哈利扭头看了看。乌姆里奇教授就坐在那儿,膝头放着写字板,脖子上绕着一圈花里胡哨的圆形荷叶边,脸上挂着几许讨厌的洋洋自得的笑容。“坐下吧,波特。”麦格教授简短地说。她推开自己桌子上散乱的小册子,双手微微有些颤抖。哈利背对着乌姆里奇坐下来,竭力装作没有听到她的羽毛笔在写字板上发出的沙沙声。
“我猜你想知道自己应该学习哪些科目吧?”她接着说,嗓门比刚才稍稍提高了一些。
“是的,”哈利说,“我想,有黑魔法防御术吧?”
“那当然了。”麦格教授干脆地说,“我还要建议——”乌姆里奇教授又咳嗽了一声,这回音量响了一些。麦格闭了一会眼睛,然后又睁开,接着像什么事也没发生一样继续说了下去。