「どの科目を取るべきか知りたいでしょうね」マクゴナガル先生は前より少し声を張り上げて話し続けた。
「はい」ハリーが答えた。「『闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ』、なんかですね」
「当然です」マクゴナガル先生がきっぱり言った。「そのほか私わたくしが勧すすめるのは――」
アンブリッジ先生が、また咳をした。こんどはさっきより少し聞こえた。マクゴナガル先生は一いっ瞬しゅん目を閉じ、また開あけて、何事なにごともなかったかのように続けた。
「そのほか『変へん身しん術じゅつ』を勧すすめます。なぜなら、闇祓いは往々おうおうにして、仕事上変身したり元に戻ったりする必要があります。それで、いまはっきり言っておきますが、ポッター、私わたくしののクラスには、ふくろうレベルで『・期待以上』つまり『良りょう』以上を取った者でなければ入れません。あなたはいま平均で『エイ・まあまあ』つまり『可』です。継続けいぞくするチャンスがほしいなら、こんどの試験までに相当がんばる必要があります。さらに『呪じゅ文もん学がく』です。これは常に役に立ちます。それと、『魔ま法ほう薬やく学がく』。そうです、ポッター、『魔法薬学』ですよ」マクゴナガル先生は、にこりともせずにつけ加えた。「闇祓いにとって、毒薬と解げ毒どく剤ざいを学ぶことは不ふ可か欠けつです。それに、言っておかなければなりませんが、スネイプ先生はふくろうで『オー・優ゆう』を取った者以外は絶対に教えません。ですから――」
アンブリッジ先生はこれまでで一番はっきり聞こえる咳せきをした。
「喉飴のどあめをさし上げましょうか、ドローレス」マクゴナガル先生は、アンブリッジ先生のほうを見もせずに、素そっ気けなく言った。
「あら、結構けっこうですわ、ご親切にどうも」アンブリッジはハリーの大嫌いな例のニタニタ笑いをした。「ただね、ミネルバ、ほんの一言、口を挟はさんでもよろしいかしら」
「どのみちそうなるでしょう」マクゴナガル先生は、歯を食いしばったまま言った。
「ミスター・ポッターは、性格的に果たして闇やみ祓ばらいに向いているのかしらと思いましたの」アンブリッジ先生は甘ったるく言った。
「そうですか」マクゴナガル先生は高たか飛び車しゃに言った。「さて、ポッター」何も聞かなかったかのように、先生が言葉を続けた。「真剣しんけんにその志こころざしを持つなら、『変へん身しん術じゅつ』と『魔ま法ほう薬やく学がく』を最低線まで持っていけるよう集中して努力することを勧すすめます。フリットウィック先生のあなたの評ひょう価かは、この二年間、『エイ』と『イー』の中間のようです。ですから、『呪じゅ文もん学がく』は満足できるようです。『闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ』ですが、あなたの点数はこれまでずっと、全ぜん般ぱん的てきに高いです。とくにルーピン先生は、あなたのことを――喉飴は本当に要いらないのですか、ドローレス」
「あら、要りませんわ。どうも、ミネルバ」アンブリッジ先生は、これまでで最大の咳をしたところだった。「一番最近の『闇の魔術に対する防衛術』のハリーの成績せいせきを、もしやお手元にお持ちでないのではと、わたくし、ちょっと気になりましたの。間違いなくメモを挟はさんでおいたと思いますわ」
「これのことですか」マクゴナガル先生は、ハリーのファイルの中から、ピンクの羊よう皮ひ紙しを引ひっ張ぱり出しながら、嫌けん悪お感かんを声に露あらわにした。眉まゆを少し吊つり上げてメモに目を通し、それからマクゴナガル先生は、何も言わずにそのままファイルに戻した。
“我可以给你一片止咳片吗,多洛雷斯?”麦格教授不客气地问道,对乌姆里奇教授看都不看。
“哦,不用,太谢谢你了,”乌姆里奇说,脸上带着假笑,让哈利厌恶透了,“我只是想知道,我是否可以稍稍打断一下你的话,米勒娃?”
“我认为你肯定已经发现你可以这么做。”麦格教授紧咬牙根说。
“我刚才在怀疑,波特先生的性格是否很适合当傲罗?”乌姆里奇教授甜甜地说。