「僕たちに教育してほしいの……」ハリーは虚うつろな声で言った。いまになって、フィレンツェの警告けいこくの意味がわかった。ハグリッドがやろうとしていることは、うまくいきません。放棄ほうきするほうがいいのです。当然、森に棲すむ他の生き物たちは、グロウプに英語を教えようと、実りのない試こころみをしているハグリッドの声を聞いていたに違いない。
「うん――ちょいと話しかけるだけでもええ」ハグリッドが望みを託たくすかのように言った。
「どうしてかっちゅうと、こいつに話ができたら、俺おれたちがこいつを好きなんだっちゅうことが、もっとよくわかるんじゃねえかと思うんだ。そんで、ここにいてほしいんだっちゅうこともな」
ハリーはハーマイオニーを見た。ハーマイオニーは顔を覆おおった指の間から、ハリーを覗のぞいた。
「なんだか、ノーバートが戻ってきてくれたらいいのにっていう気になるね」ハリーがそう言うと、ハーマイオニーは頼りなげに笑った。
「そんじゃ、やってくれるんだな」ハグリッドは、ハリーのいま言ったことがわかったようには見えなかった。
「うーん……」ハリーはすでに約束に縛しばられていた。「やってみるよ、ハグリッド」
「おまえさんに頼めば大丈夫だいじょぶだと思っとった」
ハグリッドは涙っぽい顔でにっこりし、またハンカチを顔に押し当てた。
「だが、あんまり無理はせんでくれ……おまえさんたちには試験もある……『透とう明めいマント』を着て、一週間に一度ぐれえかな、ちょいとここに来て、こいつとしゃべってやってくれ。そんじゃ、起こすぞ。そんで――おまえさんたちを引き合わせる――」
「えっ――ダメよ」ハーマイオニーが弾はじかれたように立ち上がった。「ハグリッド、やめて。起こさないで、ねえ、私たち別に――」
しかしハグリッドは、もう目の前の大木の幹みきを跨またぎ、グロウプのほうへと進んでいた。あと三メートルほどのところで、ハグリッドは折れた長い枝を拾ひろい上げ、振り返ってハリーとハーマイオニーに大丈夫だという笑顔を見せ、枝の先でグロウプの背中の真ん中をぐいと突いた。
巨人はしんとした森に響ひびき渡るような声で吼ほえた。頭上の梢こずえから小鳥たちが鳴きながら舞まい上がり、飛び去って行った。そして、ハリーとハーマイオニーの目の前で、グロウプの巨大な体が地面から起き上がった。膝立ひざだちするのに、巨大な片手かたてをつくと、地面が振動しんどうした。誰が眠りを妨さまたげたのだろうと、グロウプは首を後ろに回した。
“那你们会答应吗?”海格说,似乎没有理解哈利刚才的话是什么意思。