「出してください」ハリーはもう一度、冷たく、ダンブルドアとほとんど同じくらい落ち着いた声で言った。
「わしの話がすむまではだめじゃ」ダンブルドアが言った。
「先生は――僕が聞きたいとでも――僕がそんなことに――僕は先生が言うことなんかどうでもいい」ハリーが吠え哮たけった。「先生の言うことなんか、何にも聞きたくない」
「聞きたくなるはずじゃ」ダンブルドアは変わらぬ静かさで言った。「なぜなら、きみはわしに対してもっと怒って当然なのじゃ。もしわしを攻撃こうげきするつもりなら、きみが攻撃寸前の状じょう態たいであることはわかっておるが、わしは攻撃されるに値する者として十分にそれを受けたい」
「いったい何が言いたいんです――」
「シリウスが死んだのは、わしのせいじゃ」ダンブルドアはきっぱりと言い切った。「それとも、ほとんど全部わしのせいじゃというべきかもしれぬ――全責任があるなどというのは傲慢ごうまんというものじゃ。シリウスは勇敢ゆうかんで、賢かしこく、エネルギー溢あふれる男じゃった。そういう人間は、ほかの者が危険に身を曝さらしていると思うと、自分がじっと家に隠れていることなど、通常は満足できぬものじゃ。しかしながら、今夜きみが神しん秘ぴ部ぶに行く必要があるなどと、きみは露つゆほども考える必要はなかったのじゃ。もしわしがきみに対してすでに打ち明けていたなら、そして打ち明けるべきじゃったのだが、ハリーよ、きみはヴォルデモートがいつかはきみを神秘部に誘おびき出すかもしれぬということを知っていたはずなのじゃ。さすれば、きみは決して、罠わなにはまって今夜あそこへ行ったりはしなかったじゃろう。そしてシリウスがきみを追っていくこともなかったのじゃ。責せめはわしのものであり、わしだけのものじゃ」
ハリーは、無意識に扉とびらの取っ手に手を掛かけたまま、突っ立っていた。ダンブルドアの顔を凝ぎょう視しし、ほとんど息もせず、耳を傾けていたが、聞こえていてもほとんど理解できなかった。
「腰掛こしかけてくれんかの」ダンブルドアが言った。命令しているのではなく、頼んでいた。
ハリーは躊ちゅう躇ちょしたが、ゆっくりと、いまや銀の歯車や木こっ端ぱが散らばる部屋を横切り、ダンブルドアの机の前の椅子に腰掛けた。
「こういうことかね」フィニアス・ナイジェラスがハリーの左側でゆっくりと言った。「私の曾ひ々ひ孫まごが――ブラック家の最後の一人が――死んだと」
「そうじゃ、フィニアス」ダンブルドアが言った。
「信じられん」フィニアスがぶっきらぼうに言った。
“我是不是可以理解为,”菲尼亚斯奈杰勒斯在哈利左边慢慢地说,“我的玄孙—— 布莱克家族的最后一个人—— 死了?”