「それからきみは、ルックウッドの姿を見た。逮捕たいほされる前は神秘部に勤めていたあの男が、我々にとっては前からわかっていたあることをヴォルデモートに教えた――神秘部にある予言は厳げん重じゅうに護まもられており、予言にかかわる者だけが、棚たなから予言を取り上げても正しょう気きを失うことはない――とな。この場合は、ヴォルデモート自身が魔法省に侵しん入にゅうし、ついに姿を現すという危き険けんを冒おかすか、または、きみがあやつの代わりに予言を取らなければならないじゃろう。きみが『閉心術』を習しゅう得とくすることがますます焦しょう眉びの急となったのじゃ」
「でも、僕、習得しませんでした」ハリーが呟つぶやいた。罪ざい悪あく感かんの重荷を軽くしようと、口に出して言ってみた。告白こくはくすることで、心を締しめつけるこの辛つらい圧あっ迫ぱく感かんがきっと軽くなるはずだ。「僕、練習しませんでした。どうでもよかったんです。あんな夢を見ることをやめられたかもしれないのに。ハーマイオニーが練習しろって僕に言い続けたのに。練習していれば、あいつは僕にどこへ行けなんて指図できなかったのに。そしたら――シリウスは――シリウスは――」
ハリーの頭の中で何かが弾はじけた。自分を正当化し、説明したいという何かが――。
「僕、あいつが本当にシリウスを捕つかまえたのかどうか調べようとしたんだ。アンブリッジの部屋に行って、暖炉だんろからクリーチャーに話した。そしたら、クリーチャーが、シリウスはいない、出かけたって言った」
「クリーチャーが嘘うそをついたのじゃ」ダンブルドアが落ち着いて言った。「きみは主人ではないから、クリーチャーは嘘をついても自分を罰ばっする必要さえない。クリーチャーはきみを魔法省に行かせるつもりだった」
「あいつが――わざわざ僕を行かせた」
「そうじゃとも。クリーチャーは、残念ながら、もう何ヵ月も二君にくんに仕つかえておったのじゃ」
「そんなことが」ハリーは呆然ぼうぜんとした。「グリモールド・プレイスから何年も出ていなかったのに」
「クリスマスの少し前に、クリーチャーはチャンスをつかんだのじゃ」ダンブルドアが言った。「シリウスが、クリーチャーに『出ていけ』と叫さけんだらしいが、そのときじゃ。クリーチャーはそれを言葉どおり受け取り、屋敷やしきを出て行けという命令だと解かい釈しゃくした。クリーチャーは、ブラック家の中で、まだ自分が少しでも尊敬そんけいできる人物のところに行った……ブラックの従妹いとこのナルシッサ、ベラトリックスの妹、ルシウス・マルフォイの妻じゃ」
“克利切在说谎。”邓布利多平静地说,“你不是他的主人,他欺骗你不用惩罚自己。克利切故意要你去魔法部。”
“他—— 他是故意这样做的?”